【朝鮮半島:注目インタビュー】伝説の投資家ジム・ロジャース氏:日本は統一韓国に対抗できない

韓国のレーダー照射事件では、連日、日本のメディアや国民の関心の的です。
1月7日の当サイトで、「レーダー照射事件を海外記事がどのように報じているか」という記事をだしました。

その記事でも指摘したとおり、韓国、北朝鮮と歴史的になんのしがらみのない他国では全く興味のないことのようです。

いったい日本のように歴史問題でしがらみない他の国々では北朝鮮をどうみているか?
この日本との温度差はなんなのだろうか?

こういった視点で海外の記事をみていると、日本とは違う側面で見ていることに気づきます。

世界の人は極東の政治や歴史、信条よりも、自らが対象とする投資の国、その価値を重要視していることが伺えます。
シンガポールに移住している伝説の米国人投資家ジム・ロジャース氏。

同氏は常々インタビューで、朝鮮半島に注目しており、「国際社会の制裁が解除されれば、北朝鮮に巨額を投資する」と述べています。
世界中の投資家が同氏の発言には注目しています。
日本の国益を考えると、まずは日本が投資家から魅力的に感じる国にならないと、日本の立場を有利に運ぶことはできないですし、国民が豊かになりません。

こういった視点においても同氏のインタビューは非常に重要だと感じます。

まずは否定から入るのではなく、日本国内の世論とは違う視点があるという点に着目してはいかがでしょうか。

お願いですがら、この記事の内容について当サイトや原著者を非難しないでくださいね。 
インタビューについては素晴らしいものだと感じます。

この記事は、Korea Timesから紹介します。

Post by Mariko Kabashima  2019/02/01  13:49

Korea Times  by Kim Jae-kyoun  2018/06/27】

 

ロジャーズ、2〜3年後に最悪の金融危機に陥ると予想

 

トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩最高指導者の歴史的な首脳会談を受け、早期に統一が実現することへの期待が高まっている。

朝鮮半島の平和と安定を望む殆どの国が、南北関係の改善を歓迎している。多くの人が、統一は北朝鮮の核危機を終わらせる理想的な解決策だと考えている。

しかしながら、すべての国が統一を支持しているわけではないようだ。統一された韓国は、はるかに力を持ち、より競争力をつけるからだ。

 

伝説の投資家であるジム・ロジャースは、統一は韓国に大きな繁栄をもたらすと信じているが、韓国と米国の合同軍事演習の中止決定に対して消極的な態度を示している日本にとっては悪夢である。

 

ロジャーズ・ホールディングス会長は、6月12日の首脳会談後、シンガポールの自宅で行われた、タイムズ紙との最近のインタビューで、このように述べた。
「日本企業は北朝鮮への投資を望んでいるが、日本は統一韓国に対抗できないため反対している」

 

億万長者である75歳の投資家は、韓国と北朝鮮が互いの長所を結合させるだけで、大きな相乗効果が生まれると考えている。

同氏は次のように語っている。

「統一韓国は、中国との国境に8000万人の人がいて、豊富な安価で規律正しく教育された労働力、巨大な天然資源、多額の資本、多くの専門知識を持っている」

 

「日本は人口の減少と巨額の国内債務を抱えているが、安価な労働力がもはやないため、統一を望んでいない。日本は戦うためにできることは何でもするだろう。あらゆる口実を使って」

 

シンガポールを拠点とするこの投資家は、賛否両論があるものの、統一によって中国や米国など、朝鮮半島周辺の他の大国も恩恵を受けるだろうと考えている。

 

「中国はアメリカ軍を排除したいと思っている」と同氏は語った。

「米国はもう軍お金を使う必要はない。私は米国の納税者だ。毎年3万人の軍隊に金を払うのは嫌だ」」とつけ加えた。

「戦争は65年も続いている。なぜ我々はまだ韓国を占領しているのか?」

 

以下、インタビューの抜粋です。


 

Q. 金正恩氏は、元山〜葛麻の海岸観光地域にカジノ・リゾートを建設し、北朝鮮を観光地にするという意志を見せています。投資を頼まれたら、されるつもりですか?

 

A. 場合によりけりです。私はそれ以上のことを知る必要があります。北朝鮮への優良な投資があれば、全て調査するつもりです。北朝鮮には何もありません。テーブルもなく電気もありません。何もありません。(調査の結果が)分かれば、私たちは北朝鮮で成功するでしょう。


Q. 北朝鮮に投資したい具体的な分野はありますか?

 

A.そうですね、私は金融について少しは知っていますので、まず金融に目を向けるでしょう。彼らは株式市場について学び、銀行システムについても学んでいるので、株式市場が近いうちに生まれるでしょう。それは私が興味を持つ分野です。北朝鮮でのチャンスは、すべてにおいてあります。彼らはあなた方のように生活したいと思っています。豊富な天然資源があります。北朝鮮で教育を受け、安く、規律ある労働力を持っています。今ではめったに起きない好機なのです。1981年当時の中国よりずっと良いです。当時中国は、中国人自身も誰も何も知りませんでした。しかし、北朝鮮には韓国という裕福な隣人がいます。彼らは資本主義を知っています。彼らは繁栄を知っています。金持ちになりたいのです。中国人は1980年には何も知りませんでしたが、北朝鮮の人々は闇市場やDVDを見て何が起こるか知っていて興奮しています。

 


Q. あなたは以前のインタビューで、金正恩氏は彼の祖父や父親とは違うとおっしゃっていました。あなたから見て、金氏は真剣に非核化と北朝鮮の開放を求めていると思いますか?

 

A. 私は金正恩氏に一度も会ったことはありませんが、彼が誰なのか知っています。私は十分に本を読み、彼と十分に話した人々から話を聞きました。彼がマスコミに対し何を言っているか、何をしているかがわかります。ドナルド・トランプでさえ、この男はやる準備ができていると言っています。; この男は真面目であり、本当にそうです。彼は、(韓国に住む)あなた方のように生活したいと思っており、北朝鮮のように生活したいと思っていません。彼はスイスに住んでいました。彼は、(自国とは)全く違う国があることを知っています。

 


Q. 北朝鮮の非核化と開放に対する金氏の真剣さに疑問を投げかける声も少なくありません。彼らは、金氏が国際的なイメージを高めようとしていると主張しています。これについてどうお考えですか?

 

A. はい、そうですね。彼がそのことを実行しないとしよう。彼は破滅します、恥をかきます、自分の顔に泥を塗ることになります。3年後に何もしていなければ、軽蔑され、嘲笑されるだけです。彼がよほどの馬鹿でない限り、それは私にはありえない事です。


Q. あなたは、ご自身のキャリアの中で多くのリーダー達に会ってきました。あなたから見て、金正恩氏は父親や祖父とリーダーシップの点でどのように違うと思いますか?

 

A. 彼は(海外に出た)経験があるので全く別人です。彼の父親はどこにも行ったことがありません。金氏は最初いくつかのことをしました。
自由貿易地域を作り、国際スキー場を作りました、父はスキーさえ知りませんでした。彼は自転車の国際レースや国際マラソンを始めましたが、彼の父親はそれらについて何も知りませんでした。息子は全く違う世界を知っていて、北朝鮮に新しい違う世界をもたらしたいと考えています。


Q. 正恩氏に会うために平壌に招待されたら、そうされるつもりですか?

 

A. 招待状に何と書いてあるかによります。招待が正しくて、正しいことなら私は招待に耳を傾けるかもしれません。たとえ彼がここに来ると言っても、私に会うのはタダではありませんから、先にお金を払わないといけません。ただし、私は必ず話を聞いてくれる人に会うことにしています。私は世界中の政府関係者と話をしてきましたが、そのほとんどは絶望的です。


Q. 金氏が市場開放についてアドバイスを求めたら、どのようなアドバイスをしますか?

 

まず、私はこう言います、「あなたの国側の軍事境界線を開放しなさい」と。もし韓国人が来たいのなら、来てもらいましょう。彼らを止めないでください。あなたの国に来て何が起こるかを見るために、これ以上障壁を設けないでくださいと。

 

彼らがすべきすべてのことがすでに準備されているということが、実情です。外国人のための保証があり、外国人が来て投資することを許可するという法令があります。北朝鮮には外国人の投資を奨励する全く新しい一連の法律がありますが、私が言ったように誰もそれを信用していませんし、制裁措置があるがゆえ誰もたいしたことはしません。ですから、私が初めにすることは、彼らの側の軍事境界線を取り壊すことです。

 

第二に行うことは、ビジネスに対してオープンであることを皆に知らせることです。彼はまず核兵器を解体しなければなりません。外国の報道関係者に解体を見てもらい、そしてそのことを始めています。
それから軍隊にあまりお金を使わない方がいいと思います。ご存知のように韓国と北朝鮮は、莫大な軍事費を使っています。そしてあなた方は、韓国人は(統一のために)どれだけお金を使わなければならないかを恐れていると言いますが、自分たちの軍隊において莫大なお金を節約できるでしょう。


Q. あなたは北朝鮮を何回訪れたことがありますか。投資の面で最も有望な分野はどこですか?

 

二回だけです。首都と軍事境界線に一度。私は軍事境界線を南北から見ました。そして、北朝鮮の北東部にある、不凍港の町で経済自由区域である羅先特別市に行きました。一年中使える港ですから、ロシアや中国が新しいドックを建設しているのです。ロシア人は、これから何が起こるか知っているので、羅先までの鉄道道路を再建しました。素晴らしいチャンスがどこにでもあります。

(最も有望な分野は)世界経済・金融市場です。


Q. 世界経済と金融市場の見通しはどうですか。世界が史上最悪の金融危機に向かっていると今でも信じていますか。

 

はい。私たちは何千年もの間、常に周期的な危機を経験してきました。さらに大きな経済危機を経験するでしょう。いつになるかはわかりませんが、次のものはとても、とても、非常に、最悪の事態になるでしょう。この前の原因は世界の債務残高が非常に高いことでしたが、今ではその債務残高が、さらにずっと非常に高くなっています。中央銀行だけをとっても、アメリカのバランスシートは過去10年間で500%膨らみました。世界中でそうなんです。次の経済危機は恐ろしいものになるでしょう。私の人生で最悪の事態となるでしょう。


Q:危機は、まもなく起きると思いますか?

 

もちろんです。2、3年後には来るでしょう、それは間違いありません。10年ぶりです。通常、経済問題になるのは4年から8年のほんの数年ですが、もう10年以上経っています。これはアメリカの歴史の中で最も長い経済成長だと思います。


Q. 米国の中央銀行は金利を引き上げますか? これが世界経済と金融市場にどのように影響すると思いますか?

 

金利はさらにもっと高くなるはずです。金利が史上最低水準になりました。これはまったくばかげたことであり、これまで一度もそういう事態になったことはありません。官僚たちは自分たちが何をしているのかわからないので。我々は皆それを正常に戻すために恐ろしい代価を払うことになるでしょう。多くの人が破産するでしょう。私がその一人にでなければいいのですが。


Q. 米国の利上げにより、米-韓間で金利の逆転現象が起きています。大量の資本流出が予想されますか?

 

気にしません。一時的な流れはあるかもしれませんが、どこでも金利が上がっています。韓国からお金を持ち出す人もいるかもしれませんが、そうでない人もいるかもしれない。もし私が韓国の中央銀行なら、それは私の大きな関心事ではないはずだ。


Q 今、世界経済にとって最大の脅威は何でしょうか?

 

ワシントンD.C.連邦準備銀行は何をしているのか知りません。中央銀行は、記録的な史上最低水準の金利を設定しています。米中央銀行は10年間でバランスシートを500%膨らませました。歴史的にはとてもあり得ないことです。米国の中央銀行が行ったことは、歴史的に理解しがたいことです。これは、まるで実験のようなものです。
うまくいくといいですね。彼らはそれがうまくいかないことに気づくでしょう。金利が上昇すれば、これらの人々はみな借金を増やすでしょう。金利が低すぎると、その多くは倒産してしまいます。


Q、トランプ氏は通商政策をめぐって多くの同盟国の首脳と対立しています。トランプ氏の通商政策についてどう思いますか? また、進行中の貿易戦争が今後どのように展開すると思いますか?

 

貿易戦争は常に、貿易戦争に関わっている人々だけでなく、すべての人々にとって悪いものです。誰も貿易戦争を望んでいません。先ほど申し上げたように、次の弱気相場は私の人生で最悪のものになるでしょう。それが理由です、なぜなら我々も貿易戦争に関わることになるからです。我々は高い金利、破産、貿易戦争を経験するでしょう。それは非常に悪い時期にすべてが集中するでしょう。


Q、トランプ氏の政策は米国経済にも悪影響を及ぼすのでしょうか? あなたは彼の貿易政策に反対ですか?

 

ええ、貿易戦争には反対です。結局、それはすべての人たちのために貿易損失を引き起こすことになります。例えばアメリカは鉄鋼とアルミニウムに関税をかけると言っています。
しかし、鉄鋼やアルミニウムを使っている3億人のアメリカ人にとっては、冷蔵庫やランプを買う場合、すべてのものの値段が高くなります、なぜなら今は関税がかかるからです。ええ、数千人の方が一層裕福になります。しかし、3億人がつけを払わされることになります。世界中の他の国々の人達も同様です。


Q.今後5~10年間の投資計画は何ですか?

 

A:大きな弱気市場になることはわかっています。適切なタイミングで買うことができるくらい賢いといいのですが。そして、もし北朝鮮が開放すれば、私はそこにお金を投資するでしょう。なぜなら、たとえ世界のほとんどの国が不良債権でひどく苦しんでいても、北朝鮮はうまくやってくれると分かっているからです。


(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

 

※ 無断転載厳禁

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