【英国・ドローン】英ガトウィック空港のドローン騒ぎ、沈静化のため英軍が使用したのはISISと戦う為に開発されたイスラエル製「ドローン・ドーム」システム。逮捕の2人は釈放

英国ガトウィック空港でのドローン騒ぎのニュースについては既に色々なところで報じられています。
その騒ぎを沈静化するため英軍が使用したのは、2018年に英陸軍が1580万ポンドを投じて6機を購入したイスラエル国防軍の最新防衛機器のイスラエル製「ドローン・ドーム」というドローン・システムでした。
容疑をかけられ逮捕された2人は既に釈放されていますが、また同じようような事件は起こりえるのではないでしょうか。

国の国境を含め安全保障をあえて脅かそうとする者は手段を択ばず脅かそうとするだろうし、国防においてはあらゆる手段が必要だということがこの事件からわかります。
敵味方を問わず、国防に関する技術は日進月歩であり、その技術力はその国の国力を表すのではないでしょうか。
イスラエルの人口は約868万人で、大阪府の8,826,783人とほぼ同じくらいの人口ですが、軍事、医療、通信などの分野で世界でも指折りの技術力を持っています。
この国は地政学的、歴史的に複雑な状況がそうせざるを得ない状況であったとしても、この技術力があったからこそ、世界と交渉し生き残っていくことができているのだと思います。
今もこれからも他国が日本をおろそかにしない手段は、日本が圧倒的な技術力をもち、その技術を開発する人達を大切にしていくことこそ、日本の国防の最前線を固めていくことになるのではないかと思いました。
この記事は、メールオンラインから紹介します。

Post by Mariko Kabashima、Translated by Eshet Chayil  2018/12/27 10:23

Mail Online by Joe Pinkstone 2018/12/21】

サマリー

・(ガトウィック空港の敷地内に侵入した)小型無人機ドローン追跡のため、警察が既製の民生品「DJI」システムを使っている姿が、各種報道で映し出された。
・ガトウィックのドローンはハッキングされていたか、非DJIの無人航空機(UAV)であったと考えられている。
・このため、無人航空機の追跡にはイスラエル製の「ドローン・ドーム」という英陸軍が使用するハイテク技術が登用された。
・英陸軍は2018年に1580万ポンドを投じて、ドローン・ドーム6機を購入した。
・イスラエル製「ドローン・ドーム」は、シリアのイスラム国(ISIS)が使っていた無人航空機の撃ち落としに成功。敵のドローンの測定可能な距離は2・1〜6・2マイル。

 

ガトウィック空港の滑走路一時封鎖で足止めされたのは(クリスマスを前にした旅行客など)数十万人。惨めな事態を引き起こした無人航空機を撃墜するため、イスラエル国防軍の最新防衛機器ドローン対策システムが投入された。

英陸軍が2018年に1580万ポンドを投じて、購入したのはドローン・ドーム6機。その高い性能はシリア内戦でイスラム国の無人航空機の撃ち落としに成功していることで立証済み。

警察は木曜日(20日)、挑発行為を続けるドローンを追跡し、どこにオペレータ(操縦者)がいるのかを割り出す既製の民生品「DJI」システムを使っている姿がメディアで流れた。 DJIは最も人気のある商用ドローン・ブランド 。

しかし、ガトウィック空港で使用されているドローンは、ハッキングされたか、高度な非DJIドローンであったと考えられており、警察が使っていた商用技術は役に立たなかった。

その段階になって、英陸軍はイスラエルのラファエル社製「ドローン・ドーム」システム(システムの詳細は一般公開済み)を投入した。陸軍士官はドローン・ドームが搭載する最新鋭のレーダーとレーザーの計測器を使い、2.1〜6.2 マイル内にある相手のドローンの位置を測定できる。

標的のドローンをレーダー照射でロックオンして補足したら、無線周波数ジャマー(撹乱)で標的のドローンの信号を過負荷にして、未確認の所有者(ドローン操縦者)からのコマンドを受信不可能する。「ソフトキル」と呼ばれ、標的の無人航空機 (UAV) の制御を停止させる一方で、安全に着陸させることができる。高パワーのレーザーが搭載されたドローン・ドームは標的を焼き溶かす「ハードキル」も可能。英陸軍はこのモデルの購入は見送った。

同様のシステムは、イラクのモスル解放時やシリアのイスラム国撲滅の際に、敵のドローンから同胞の身を守るため、英国や米国の特殊部隊が使用した実績がある。軍用機器の登用が遅れたこと対し、ガトウィック空港で足止めを食らった乗客からは憤懣が噴出している。

イスラエルの防衛技術会社ラファエルが同システムは「エンド・ツー・エンド」であると説明する。空中攻撃を目的としたテロリストが飛ばす敵対的なドローンに対し、効果的な空域防衛が行えるように設計で、インテリジェンスやその他の威圧的な行動の情報収集ができるという。360度と全方位を完全にカバーして監視できるよう4つのカメラを搭載する。

この監視機能は航空郵送機なら約31マイル離れた場所まで有効だが、ガトウィック空港を混乱に陥れるのに使用された小型の無人飛行機の場合は、ドローンドームが検出できるのは、2.1〜6.2 マイルと幅が縮まる。
監視機能と無線周波数ジャマーが統合されていれば、治安当局が「ソフトキル」を実行することを可能にする。 硝酸ガリウムで作られたアンテナを使用するため、ドローン・ドームは持ち運びでき、簡単にどこでもセットアップできる利点がある。


詳しくはこちらをどうぞ

(海外ニュース翻訳情報局 序文:樺島万里子  翻訳:えせとかいる)

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