【フェイクニュース確定】:タイのベジタリアンレストランに人肉を提供していたというニュースはフェイク

11月1日のニューズウィークの「ベジタリアンに人肉を提供して殺人が発覚」という記事に驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

当サイトでは、この記事についての信憑性を疑っていましたが、やはりそうでした。

タイのニュースを見ていると殺人事件は起きたものの、人肉を提供という事はひとことも書かれていませんでした。

タイのココナッツ・バンコクが事実の記事を出していますので抄訳紹介します。

Post by Mariko Kabashima 2018/11/03 3:00

Coconut Bankok 2018/11/02】

バンコクのレストランのオーナーが、客に殺した男の肉を料理として出したという話が広く報道されているが、警察によると、それは全くの誤りだという。

バンコクのあるベジタリアンレストランのオーナー(ベジタリアン)が、自分が殺害した男の肉をレストランの客に提供した。

この話は、シンガポールや西側のニュースであっという間に広がった。
もっとも目立ったのは、英語版のニューズウィークとViceだった。

しかし、その話は不可能なことである。
なぜなら、そのレストランはまだオープンしていなかったからだ。

Photo: Rescue volunteers

Photo: Rescue volunteers

ラートクラバン警察の捜査官であるアドル・トンペッチ中佐は昨夜ココナッツに語った。
「レストランはSoi Romklao 25/6にあり、オープンしていなかったため、被害者のPrasit Inpathom (61歳) が殺害されたとされる期間中も、それ以降も客が食事をしていたという事実はない」

また、アドル中佐はインタビューで次のように述べている。

「被害者は、10月21日に殺害されたのではないかとみている」
「このレストランはまだ建設工事が完了していない。精進祭(10月17日に終了)の最後の3日間だけ営業していた。これは、被害者の男性が亡くなる数日前に、店が閉鎖されていたことを意味している」

Lat Krabang警察の広報担当者Sawang Wongbutもココナッツと連絡をとった時も同じ話をした。
同氏は、「これは単なる殺人事件の捜査にすぎない」と述べ、世界中で報じられたニュースについて一笑に付した。

この記事は、 Vice、デイリーメール、トロント・サンに取り上げられた。
全ての記事は、Asia Oneの記事を翻訳引用したものだ。
Asia Oneは、シンガポール最大の中国語新聞、聯合早報から情報を得た。
そして聯合早報は、Oriental Dailyという一つのサイトから情報をもとに載せた。
これは、極めてダサい「伝言」ゲームである。
Asia Oneの記事で言及されている唯一のタイの情報源は、The Nation and Komchadluek で、その記事のどこにも客に人肉が提供されているということなどは、ひとことも書かれていない。

被害者の肉が紛失している(おそらく料理に使われた)兆候があるかどうかについて質問したところ、アドゥル中佐は、「被害者は頭と顔に激しい殴打の跡があるだけだ」と答えた。
「そのことについては、まったく正確ではない」と付け加えた。

この殺人事件の容疑者は、店のオーナーの兄弟でBoonyuen Kamtaweeと特定され、店の工事費を受け取っていた。
一方、被害者はBoonyuenの手伝いとしてお金を受け取っており、2人は夜遅くまで一緒に酒を飲んでいた。
「殺人事件の容疑者は(工事中の)レストランに通っていた。その殺人事件が起きた頃、彼は姿を消した。2日後の(10月23日)、オーナーが戻ってきて誰もいないので警察に通報した」

血液と(おびただしい数の)脳の破片がキッチン中に飛び散っていた。

被害者のPrasitの遺体はレストランの裏の浄化槽から発見された。彼の家族は胸の入れ墨から彼の体を特定した。

プラチュワップキーリーカン県の「故郷に戻った」Boonyuenは、逮捕状を受け、10月27日に出頭した。彼は警察との協力を拒否し、現在は弁護士と協力して法廷で自らを弁護している。
「検察に送検する前に、法医学的鑑定の結果を待っている」 と警察官は述べた。
公判期日はまだ決まっていない。
引用ここまで

この記事をみて思い出したのは、繰り返し欧米で報じられる東京の人肉レストランの記事です。
それをもとに時折、日本でもネットに出てくることがあるのでご存知の方も多いと思います。
この東京人肉レストランについての検証は、当サイトでも行っていて、記事の出所は、ベンジャミン・フルフォード氏がCNNの特派員としてエイプリルフールの記事を欧米向けに出したことが発端です。
こういうフェイクニュースがなぜ周期的に出てくるのか、分析すると興味深いことがわかりそうです。

*当サイトは、ココナッツバンコクの許可を得て翻訳掲載いたしました。

(海外ニュース翻訳情報局 翻訳、記事 樺島万里子)

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