【米中貿易戦争】中国:米国産原油を拒絶

ご存知のように、現在、米中貿易戦争真っ最中だといわれています。
米国は中国に対し、中国のハイテク産業振興戦略「中国製造2025」で重点となる品目を標的に制裁を加えました。
これに対し、中国も報復措置として自動車などの333品目に関税を検討しました。そして、中国は6月、原油輸入への25%の関税を警告しましたものの実際的な原油の制裁は行っていません。
この記事では、米国産原油に関しての中国の制裁はイランが関係し、イラン介入後の米国への影響は計り知れないと述べています。
この記事はロシア発信のロシアトゥディのものだということを踏まえて読んでみてください。
Post by Mariko Kabashima  2018/10/16  18:00

RT  2018/10/15】

中国政府は、米国産の原油を制裁するほどの貿易戦争にはまだ踏み切れていないが、中国のバイヤーが米国産の原油を敬遠しているため、輸入はいずれにせよ減少している。

先週発表された米国勢調査局のデータによると、中国は2016年以来初めて米国産原油の輸入を停止し、8月の輸入量はゼロになった。
世界第2位の経済大国からの大打撃は、波紋と報復を呼ぶに違いない。

米国が2015年末に輸出規制を撤廃した後、中国は米国産原油の大量購入を開始し、場合によっては最大輸入国の座をカナダと張り合っていた。
2017年の米国の原油輸出量に占める中国の輸入量は23%で、今年は8月まで平均22%だった。
今年初めにトランプ政権が「貿易戦争」を開始して以来、ここ数カ月間に緊張が大幅に高まっていることから、もはやこれは事実ではない。

一連の報復のほんの一部で、中国は6月、原油輸入に25%の関税を課すと警告した。
これはトランプ米大統領が中国からの輸入品に500億ドルもの追徴関税を課したことに対する直接的な報復だった。
トランプ氏が、中国の報復に対し500億ドルの追徴関税をかけると脅したにもかかわらず、中国は米国産原油に一撃を加えた。

一部の専門家によると、中国との貿易戦争は今後も激化し続けると予想され、おそらく、来月、正式にイラン対する制裁措置が取られたときには、さらに加速するだろうとしている。
トランプ政権の当局者らは、イランへの石油輸出量を現在の170万バレル/日から0バレルに引き下げる意向を示している。
しかし、中国は、現在イラン産原油の約4分の1を購入しており、イラン産原油の一方的な輸入停止には加わらず、この目標を達成できない可能性が高い。
PVMオイル・アソシエイツの石油アナリスト、スティーブン・ブレノック氏は、「米中関係の悪化を考えれば、中国が米国の要求に応じるとは思えない」と述べた。

制裁復活に反対しているのは中国だけではない。
事実上、イラン産原油の主要輸入国はすべて、輸入停止に反対している。
しかし、米国との関係を危険にさらす能力を持っている中国のような国はあるとしても非常に少ない。
中国とトランプ政権との関係はすでに緊張が高まっている。
彼らはイランに同調し、米国の制裁の成功を危険にさらすことで失うものははるかに少なく、貿易戦争の火種となっている。

同時に、米国と中国の双方には、減速するインセンティブがある。中国は、米国からの恩恵を留めるために(または取り戻すために)、米国は潜在的な石油価格ショックを回避しようとしている。
しかし、イランへの石油制裁が間近に迫っており、外交のための時間がほとんどないため、彼らがどのように進むかを予測するのは難しい。

何が起きているかにかかわらず、中国との貿易戦争はすでに悲惨な結果をもたらしている。
米国の石油業界が中国のような大規模な消費国をわずか1セントで失うことにどのような影響を与えるかはまだ分からないが、その影響は相当なものになるだろう。

貿易戦争がどのようにして米国に打撃を与えるのかについては、これまで多くの議論がなされてきたが、今では実際の影響がどのようなものなのかをリアルタイムで見ることができるようになった。イランが来月介入することになればなおさらだ。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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