【米国:最新世論調査】アメリカ人の大部分が「ロシアの介入」を問題にしていない:懸念しているのは1%未満!

7月の世論調査によると、米国人の14%が、同国の経済状況を懸念し、回答者の22%が移民や不法移民を懸念しており、19%が同国の政府とリーダーシップ不足に不満を持ち、7%は人種差別を懸念しているという。

米国の大統領選挙におけるロシアの「干渉」というテーマや、両国間の関係の問題に関心を持つアメリカ人は、1%未満である。

これらはギャラップ世論研究所が実施した社会学的調査のデータによるものだ。

この調査によると、米国の住民は移民問題、政府の仕事の質、人種問題のテーマに懸念している。専門家らは、一般的な米国人は、政治的支配階級を過激に誇張する陰謀説ではないと見ている。

なぜ、ロシアが米国の選挙に影響を及ぼしたとされる情報が、国民の関心を呼び起こさなかったのか?

RTは次のように考えた。

米国の大統領選挙におけるロシアの「干渉」やモスクワとワシントンとの関係の問題には、アメリカ人はほとんど関心がない。これらはアメリカの世論研究所のギャラップの社会学的調査のデータである。

7月1日から11日にかけて行われた最近の世論調査によると、1%未満の回答者が、ロシア連邦の米国投票に対する影響力の話題に興味を示した。
4月には、ロシアと米国の関係の問題と、ロシアの選挙における役割の問題は、回答者のわずか1%が懸念していた。2月、3月と同様である。

米国市民が問題としている第一位は、実際関わる移民問題と市民権をできるだけ早く獲得することを目的として入国する偽装結婚の問題が最重要課題である。7月には、回答者の22%がこのトピックを非常に重要視していると答えた。

第二位は、政治への不満であり、回答者の19%が重要視していると考えられている。

第三位は、人種差別問題と異なる肌色の人々との関係についての問題であり、回答者の7%が重要視 している。

次に、米国の社会にとって痛ましい問題の中でも、6%の人が、国の統一問題が重要であるとし、また、同数で周りの人に対する互いの尊敬の欠如が重要であると回答した。

回答者の3%は、ヘルスケアが最優先であると答えている。

このことについてさらに調べてみると次のような変化がみられる。

米国の市民が最も問題としている移民問題については、1カ月前の6月には14%だったが、7月には22%に増加している。

政府やリーダーシップ不足に対する不満は、2018年1月には25%だったが、その後徐々に減少し、1カ月前の6月には19%となり、現時点の7月にも19%と変わらない。

 

国内の政治ゲーム

2年前、選挙でのロシアのいわゆる干渉についての話題がメディアのニュースリストに出現した時を思い出してほしい。
2016年5月18日、ジェームス・クラッパー米国国家情報長官は、候補者の選挙本部と情報システムへのサイバー攻撃の両方をスパイしようとする外国の諜報機関の企てを発表した。

選挙の “干渉”の捜査をサポートするために、米国のセキュリティ担当者はコンピュータセキュリティ会社クラウドストライク(CrowdStrike)をつれて来た。

その会社の従業員は、ロシアのハッカーグループが大統領候補の本部を監視する企てに関与した可能性があると述べた。

その後、この話題はアメリカのメディアやエリートの中心になった。元FBI長官のロバート・ミュラー氏が率いる特別委員会も設置された。
この委員会の調査は、どのようにロシア人が投票プロセスに影響を与えるかという疑問に答えることを目的としている。

最近、審理の過程で、米司法省は、2016年の米国大統領選挙でハッキング攻撃に関与していたと思われるロシア人12人に対して起訴を行った。

米国の捜査当局によると、被告たちはロシア連邦の国防省参謀本部諜報局の職員だという。

そして2018年7月18日、ドナルド・トランプ米大統領は、ロシアの指導者であるウラジーミル・プーチン氏が、米国の選挙において「ロシアの干渉」で「個人的に責任がある」と述べた。

モスクワでは、選挙戦の最中にサイバー攻撃の背後にある疑いを一貫して否定している。
特に、7月17日、ロシアのプーチン大統領は、米国のテレビ局フォックス・ニュースの特派員とのインタビューで、この話題を米国内の政治的な事件だとみていると述べた。

「非常に面白くない。これらはあなたがたの国内の政治ゲームである。ロシアと米国の関係を、国内の政治闘争の人質にしてはならない」と12人のロシア人に対するミューラー特別検察官の起訴についての質問に答えた。同時に、「アメリカの民主主義を尊重していない」と付け加えた。

 

アメリカ合衆国は気にしない。

米国・カナダ研究所のウラジーミル・バチュク研究員は、選挙期間中のロシアのサイバー攻撃に対する米国人の関心のなさを示すギャラップ世論調査は、全体として米国社会のムードを客観的に反映していると考えている。

「普通の米国市民の立場に立ってみましょう。政治的支配階級を過激に誇張する陰謀説は、理解できません。身近なことではありません。12人のロシア人のハッカー、またはユーザーであっても、どういうわけか全員のポジションに影響を与えることができるというのは馬鹿げている」

「多くの米国の政治家の観点から見ると、RTが選挙前のレースをカバーしているという事実は正しくない」とその専門家はRTとのインタビューで次のように述べた。

政治学者のドミトリー・ミヒエフ氏も、同様の見解を示している。
「私の見解では、ギャラップ社の調査は、そう的外れでもない。私は、選挙における”ロシアの影響”というテーマに特化した米国の報道機関の記事に対する米国人のコメントやフィードバックを注意深く追っている」
「ロシアは米国と競争する超大国であり、米国と敵対しているという見方は、一般的に米国人も同じだと言える。しかし、2016年の選挙では、ロシアの特殊部隊が投票に関与したということは、国民は信じないのだろう」 とその専門家は述べた。

同氏によれば、米国のエリートがロシアのハッカーが選挙に介入したことを国民に納得させるのは難しいという。なぜなら、この国の普通の米国人のマインドに合わないからだ。

アメリカ人はすべてが平均的な有権者のみに依存していること、候補者選択の複雑なシステムが予期せぬことからそれらを守ること、したがって行政の選択に責任は国民にあると常習的に考えている。
また、「今の権力は、あなた方に責任を負わせる!あなた方はロシア人に騙されていた! – これは内部抵抗を引き起こす。ほとんどの人は理論的にもそのような考えをすることさえ拒否している」とミヒエフ氏は説明する。


アカウント総数の0.0001%

注目すべきは、米国の政治家自身が、ロシアの仮想侵略という神話に反論しようとすることが多いことだ。

その具体例として、特に、11月のワシントンでの公聴会の「ロシア人の証拠」のケースである。

その後、フェイスブック、グーグル、ツィッターの代表者は、上院と下院の2つの会議室の直前に意見を述べた。会議の中で、彼らは選挙戦前のプラットフォーム上での「ロシアの国家構造」の行動の概要を説明しようとした。
しかし、クレムリンのボットの「破壊的な」活動をしたと議員たちがねちねちと尋問したにもかかわらず、同社の法律顧問は、モスクワの干渉を示す証拠を提出できなかった。むしろ、逆だった。

「我々は、9月1日から2016年11月15日までの期間の記録を調査した。この間に、我々は関心のある協調的で自動化された活動を発見した。我々は、ロシアとリンクできるアカウントの数と、選挙に関する資料の配布数が比較的少なく、我々が調査したアカウント総数の約0.0001%だと判断した」 とツイッターの法律顧問、シーン・エジェット(Sean Edgett)氏は述べた。

 

海外の国 – 別世界

ミヒエフ氏によると、米国住民が主に国内問題を考えており、「ロシアの介入」とモスクワと米国との関係の問題が第一に考えているわけではないということは驚くこのではないという。

「私は例を挙げることができる。:私は中西部のインディアナポリスにしばらく住んでいた。そこは、シカゴに近く300キロ未満は離れている。社会で底辺の場所ではなく、私は良い教育を受けている沢山の人々に出会った。しかし、彼らは、この国で3番目に大きな都市であるシカゴを訪れたことがない。ここの人にとって、教育、キャリア、家族という日常の問題は、隣接する都市や州よりもはるかに重要のことなのだ」 とミケエフ氏は強調した。

平均的なアメリカ人は、自分の国外にあるものにはほとんど関心を示さないと、ウラジーミル・バチュク氏は言う。
「第一に、家族に関係する懸念に関心を持つ。そして、自分の自治体で生活の関連問題に持ち、さらに、自分たちが住んでいる都市や居留地の出来事が全て。そして国の問題になる。国境を越えることは、一般に国民の大部分が別世界のことであるからだ」とその科学者は語った。

専門家らは、移民問題に対する米国人の関心が急激に高まっていることも、トランプ氏の訪米者に対する政策を強化するための取り組みと関連していると指摘する。

「ホワイトハウスのトップが積極的に推進している措置が功を奏したのは確かだ。しかし、不法移民を含めた移民問題は、成熟しすぎてはいないにしても、国にとってはかなり遅れている。特に訪米者は他の多くの問題にも影響する。彼らは医療制度に負担をかけ、労働市場における米国市民にとって深刻な競争となっている。ついに、組織犯罪を含む犯罪の増加という問題が生じたのは、まさに移住者のせいである。そして、当然、人種主義の問題とその兆候は、不法移民と関連している」とバチョック氏は強調した。

ミヒエフ氏によると、米国の市民は新聞に掲載された毎年平均100万人の移民が入国しているというデータに怯えているという。

「移民の問題は客観的である。訪米者は、多くの場合、現地住民よりもずっと劣悪な環境で生活し、働くことに同意する。その結果、その国の市民は仕事を得るために競争が激しくなる。カリフォルニアやテキサスのようなメキシコとの境界にある州だけでなく、同じイリノイ州やインディアナ州の奥地でも感じられる。したがって、メキシコ国境の壁の建設に関するこのトランプの言葉とこの問題を抑制するための他の公約は、米国の一般市民の間でこのような熱い反応を示した」と専門家は結論づけた。

 

抄訳引用こまで
RT by Vladimir Vashchenko 2018/07/23】

あれだけ毎日のように大統領選でのロシア介入について報じられているにも関わらず、米国民の関心は1%未満であるという衝撃的な結果でした。
このギャラップ社の世論調査についての数字に基づく米国民についてのこのRTの分析は、米国民の本質をついているのではないでしょうか。
ほとんどの一般的な米国人が、国外の問題は別世界のこととらえ、関心もなく、ましては重要な問題だと考えないという分析、なるほどと思います。
この記事は、ロシア・トゥディが国内向けに出した記事で当然ロシア語での発信です。
今のところ英語での発信はしていません。そのせいか数字の分析に客観性を感じます。
なにかと米国頼みになってしまう日本、米国の世論で米国の政治は影響されると考えるならば、たとえ同盟国であっても、米国は、日本のことは日本人が思うほど考えていないのではないかと考える必要があるのではないでしょうか。
この世論調査の中で、北朝鮮問題を懸念していると考えているのは、ロシア問題より少し多く1%のみでした。
Post by MK  2018/07/24 2:11

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