【ロシア疑惑:フュージョンGPS】スティールのドシエ(調査書類の束)に「偶然の一致」が重なる

トランプ、ロシア疑惑については、まるでスパイ映画のような展開を見せています。

当サイトでも、昨年の7月に、ロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤについての特集をしました。その記事の中で、元英国スパイのクリストファー・スティール氏がまとめたドシエ(調査の束)について分かったことも書きました。(以前の記事では、ドシエは関係書類と訳しています)
フュージョンGPS(Fusion GPS)の文書が公開されたことで、新たに、このスティールのドシエについて偶然の一致がありました。この記事は、デイリー・コーラーから紹介します。

*フュージョンGPS(Fusion GPS)・・ワシントンDCに本拠を置く商業的な調査および戦略的情報機関。

Post 2018/02/09  21:28

Daily Caller by CHUCK ROSS  2018/02/08】

信ぴょう性のないスティールのドシエ(調査書類の束)に関する詳細な情報と、どのようにそれが作られたかを一般市民が知るにつれ、少なくとも4つの別々の偶然の一致が浮かび上がってきた。

オリジナルストーリーの35ページの文書は、初めはかなりシンプルだった。

フュージョンGPSは、当時の大統領候補であるドナルド・トランプを捜査しており、ドシエ(調査の束)を書くために英国のスパイ、クリストファー・スティールを雇った。

しかし、ドシエ(調査の束)のより多くの詳細が、少しず公開されてきており、情報がどのようにして過激な文書になったのかという疑問が浮かび上がっている。

ここには4つの最も重要な「偶然」がある


トランプタワー

そのドシエ(調査の束)からでてくる最初の偶然の一致は、2016年6月9日、ドナルド・トランプ・ジュニア、ポール・マナフォート、ジャレッド・クシュネルとロシア人グループの間のトランプタワーで行われた会合に関わるものだ。

この会合に参加した2名のロシア人、ナタリア・ベセルニツカヤとリナット・アフメトシは、このドシエ(調査の束)を依頼した野党調査会社の創設者であるグレン・シンプソンとの会議の時に働いていた。

マグニツキー法(訳注:人権侵害したロシア人に米国入国を禁じる法律)と呼ばれる米国の制裁法を弱体化させるロビー活動に関して、シンプソン、ベセルニツカヤとリナット・アフメトシは、ロシアのビジネスマンを代表して働いていた。

シンプソンは、ベセルニツカヤとアフメトシとの会合の前後に会ったが、7月に報告されるまで、彼はトランプタワーでの会合を知らなかったと言っている。彼はまた、スティールのドシエ(調査の束)に関する彼の仕事について、2人のロシアの人物に話すことを否定している。

ヒラリー・クリントン元国務長官の汚職を提供すると申し出た後、トランプ・ジュニアはこの会合を受け入れた。その知人によると、ロシアの検察総長の命令でロシアの政府の弁護士が情報を提供するだろうとしている。

この提案は、クレムリンがトランプの政敵のほこりを提供したことを含んでいる、大まかにドシエ(調査の束)で申し立てていることと合致する。


注意:

この会合でトランプ・ジュニアやその他の人は、どこにも行かず、意味のある情報が交換されなかったと述べた。彼らはまた、約20分続いた会合へのフォローアップはなかったとも述べた。

シンプソン自身は、ロシアに関連する2つのプロジェクト(ベセルニツカヤとアフメトシとの共同作業)に関する彼の仕事の間の、奇妙なオーバーラップがあることを認めたようだ。

彼 は11月の非公開インタビューの中で、米下院情報特別委員会に、「つまり、私は、トランプタワーでの会合について何も知らなかったことを神に感謝します。もしくは本当に何か説明してほしいです」と述べた。


オー家(The Ohr)

選挙の前と後に、司法省の職員ブルース・オーは元MI6のエージェント、スティールと接触していた。トランプの勝利数週間後、オーはシンプソンと会い、トランプに関する仕事について話し合った。

12月に公表されたその意外な事実は、十分奇妙である。

しかし、オーはドシエ(調査の束)プロジェクトにもう一つ別の関係を持っていた。

彼の妻、ロシアの専門家ネリーは、トランプの調査に関するフュージョンGPSの研究員として働いた。

2月2日に公開された下院諜報特別委員会のメモによると、ブルース・オーは、妻のフュージョン・GPSの資料をFBIに持って行ったと語っている。オーはまた、FBIによって2016年11月と12月に尋問された。

ネリー・オーのフュージョンGPSの仕事についてはほとんど知られていないが、シンプソンは11月に下院諜報特別委員会証言から著しく彼女を省いた。

彼が、どのようにしてブルース・オーを知っていたか聞かれたとき、シンプソンは、彼がスティールを通して彼に会ったと述べた。

フュージョン・GPSSがロシア語を話す人を採用しているかどうか尋ねられたシンプソンは、同社はそうしなかったと述べた。ネリー・オーはロシア語に堪能であるにも関わらず。彼女はまた、オープンソースの研究を行ったCIAプログラムのために働いている。


「卑怯なシド」、 「ミスター・ フィクサー」と国務省

ドシエ(調査の束)の沼地から出てきた最新の偶然の一致は、シドニー・ブルーメンソールとコーディ・シアラー(2人の典型的なクリトン・インサイダー)に集中する。

「卑怯なシド」と「ミスター・ フィクサー」として知られていて、それぞれ 2人の友人たちはそれぞれ、ジョナサン・ウィーナーという国務省の官僚にトランプについての過激な主張を渡した。

ブルーメンソールとの友人であるウイナーは、次にスティールに情報を与えた。

ザ・ガーディアンの最近のレポートによると、スティールは、2016年10月にFBIに情報を提供した。

下院諜報特別委員会と上院司法委員会は、国務省がそのような一連の出来事に関与しているか調査している。

シアラーの情報は、ロシアの諜報機関であるFSBがモスクワのホテルの部屋で売春婦と関わっていたビデオの映像を持っていたという、スティールのトランプに関するエロティックな主張と密接に一致した。スティールによると、この資料はトランプを脅迫するために使用されていた。

同様の情報の2つの解釈が浮上している。

ドシエ(調書の束)を固く信じている人は、シアラーの情報がスティールのドシエ(調書の束)を裏付けるのに役立つと主張している。

もう一つの解釈は、シアラーとクリントン不正工作のアーティストとしてのブルーメンソールの仕事が、スティールに対する信ぴょう性の懸念を提起すると主張している。

ブルーメンソールとシアラーを知っていたビル・クリントン元側近のディック・モリスは、水曜日、クリントン家がトランプについての主張を植え付けたかもしれないと示唆した。

彼は、スティールが、ワシントンDCでのブルーメンソールとシアラーの悪い評判のために情報を 「取り除く」ために使われたと主張した。

シアラー/ブルーメンソールの情報が、スティールのドシエ(調査の束)にも含まれているという証拠はまだない。ガーディアン誌は、スティールはシアラーから生じた情報を確かめなかったと、FBIに伝えたと報じた。


パパドプロスとのつながり

ロシア人との接触についてFBIに嘘をついていると罪を認めた、若いトランプの選挙運動アドバイサーもまた、ドシエ(調査の束)へのリンクが可能である。

ジョージ・パパドポロス(シカゴのエネルギー・コンサルタント)は、ドシエ(調査の束)中でも最も過激な主張のソースとされているベラルーシのアメリカ人ビジネスマン、セルゲイ・ミリアンと接触していた。

ウォールストリート・ジャーナル、ABCニュース、ワシントン・ポスト紙は、ミリアンが「ソースD」と「ソースE」であると報じた。

ここ数ヶ月で、ミリアンとパパドポロスが2016大統領選挙の際に接触したことが明らかになった。

この関係は、まだ検証されていないが、パパドポロスがミリアンとどういうわけか最終的に、ドシエ(調査の束)になった情報を共有してしまった可能性を高めている。

この関係は、情報が真実か偽であるかを言っているのではなく、パパドポロスとミリアンの両方がきらびやかな経歴を持っている。パパドプロスは、国連でフェローなどを含む彼の履歴書を誇張している。ミリアンはトランプの不動産帝国を含む、きらびやかな彼のビジネスでの関係が非難されている。

パパドプロスは2016年3月に、クリントンキャンペーンに参加した。まもなく後に、彼はロンドンに拠点を置くジョゼフ・ミフサッド教授と知り合った。2016年4月、ミフサッドは、ロンドンでの会合で、ロシア政府がクリントンキャンペーンから文書を盗んだことを知ったとパパドポロスに語った。

10月にパパドプロス(ミフサッドとの接触についてFBIに嘘をついたことを認めた)は、翌月、英国のオーストラリア大使アレクサンダー・ダウナーとの酔った会話の中でこの情報を伝えた。

ウイキリークスが2ヶ月後にハッキングされたDNC(民主党全国委員会)の電子メールを公開するまで、ダウナーは、この情報で何もしなかった。ダウナーの上司は、パパドプロスとの出会いについてFBIに知らせ、選挙でのロシアの干渉に対抗するために、スパイ防止活動の調査を開始した。

パパドプロスについて残る疑問は、彼がトランプ・キャンペーンで、誰かにEメールについて話したかどうか、もしそうならキャンペーンが行動を起こしたかどうかということである。


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(海外ニュース翻訳情報局 MK)

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