【イラン:女性運動】テヘランでのヒジャブ抗議運動で女性29人を逮捕

最近、イランで女性に対するヒジャブ(体や頭を覆うスカーフ)着用強制への抗議活動が起こっているそうです。イランの女性たちが、街中でヒジャブを脱ぎ捨てたり、棒にくくりつけて振ったりと大胆な行動を取り逮捕者を出す騒ぎになっています。宗教と個人の自由との衝突に、イスラム国家といえども蓋をし続けることはもはや難しいようです。本記事は英国・ガーディアン紙からの紹介です。

Post 2018/02/07 18:11

The Gaurdian by Saeed Kamali Dehghan Iran correspondent  20180/02/02】

新たな抗議活動の波が国中に広がり、個人の自由に関する論争に火を付けている。

イラン首都の警察は、「だまされて」ヒジャブ着用を強制する法律への抗議活動に参加したとして女性29人を逮捕した。

国中の女性たちが通信用機器が入ったボックスに登り、ヘッドスカーフを脱いで棒にくくりつけて高々と振って見せた。

イランの女性たちは40年近くもヒジャブに反対して闘ってきたが、新たな抗議活動の波がより注目を集めており、以前はほとんど見られなかった個人の自由に関する論争に火を付けている。

(イラン第2の都市)マシュハドで撮影された最近の画像は、全身を覆うチャドルを身にまとった信心深い女性がボックスの上に立ちヘッドスカーフを掲げた様子を映している。これは、(チャドルを着るこの女性とは違い)ヘッドスカーフを付けたくない女性たちと連帯して行ったものである。

テヘラン警察は木曜に、この抗議運動は違法衛星チャンネルを通じてイラン国外から煽動されたものであると述べた。「『白い水曜日(White Wednesdays)』と呼ばれる社会運動の下で行われた衛星チャンネルによる呼びかけの後、だまされてヒジャブを脱いだ29人が警察に逮捕されている」と(イラン軍隊組織)イスラム革命防衛隊のエリートらに近い半国営のタスニム通信が木曜に報じた。

改革派有力紙シャルグ(Shargh)は、この抗議活動を「街中でヘッドスカーフを脱ぐ反応」という見出しで報道した。厳しい検閲を受ける国の新聞にこのような議論が出ることはまれであるが、司法官からの所見でシャルグ紙は本件について書くことができたのである。

イラン議会の女性議員、ソヘイラ・ジェロウダールザーデ(Soheila Jolodarzadeh)氏は、抗議活動は長きにわたる制限の結果だと言及した。半国営のイラン労働通信(Ilna news agency)によると、「我々の間違った方策のために抗議活動が起こっています」と彼女は語った。「我々は、女性に制限を押しつけ必要のない束縛を行ったのです。それでエンゲラブ通り(Enghelab Street)の少女たちが、ヘッドスカーフを棒にくくりつけているのです。」

イラン検事総長、モハンマド・ジャアファル・モンタゼリー(Mohammad Jafar Montazeri)氏は水曜の抗議活動を「子どもじみている」、「感情的である」、「国外から」煽動されたものであると言い表した。

米国を拠点とするジャーナリストであり活動家でもある、マシフ・アリネジャド(Masih Alinejad)氏が『白い水曜日』運動を2017年5月に始めた。彼女は、抗議活動で女性たちに白いヘッドスカーフを付けるか脱ぐというルールを推奨している。

「イラン警察は2014年に、悪いヒジャブを身につけているとして360万人近い女性に警告や逮捕、あるいは起訴を行ったと発表しました。だから、このような逮捕は目新しいことではありません。抗議活動を行っているのであれば、まさにそのような取り締まりが原因なのです」と彼女はガーディアン紙に伝えた。

彼女は自身が主導する、ヒジャブ強制に反対する2つの社会運動への資金を外国政府から受け取っているとイラン当局者は非難している。そのうちの1つが、「人目をはばかる私の自由(My Stealthy Freedom)」である。アリネジャド氏は資金の受け取りを否定し、自分は米国政府資本のボイス・オブ・アメリカ(VOA)サービスに勤務しているが、いずれの社会運動に対する資金も受け取っていないと述べている。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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