【英国:オリガルヒ】不透明財源購買による摘発は、銃より効果的な新しい武器である

オリガルヒってご存知ですか?  ロシアの新興財閥で、ロシアの資本主義化の過程で形成された政治的影響力を有する寡頭資本家とウィキペディアにはあります。さらに、他の一部の海外の記事では、オリガルヒをマフィアだ表現していたりします。  英国で、このオリガルヒが、不正をはたらき、不透明な財源で高級住宅街に不動産を買い、様々な投資を行ってきました。英国政府が、やっと彼らを摘発しようと腰を上げたそうです。 この記事は、英国ザ・タイムスから紹介します。

Post 2018/02/06  11:53 update 13:01

The Times by Fiona Hamilton   2018/02/03】

英国は、不正に得た利益のセーフ・ヘブン*として評判を変えようとしている

 

セーフ・ヘイブン*・・・安全な場所、保護地域、聖域等の元々の意味から転じて、投資の世界では安全資産、資金の安全な逃避場所等を指す。

サリーヒルズに点在する個人の大邸宅や高所得者向けのロンドン・ミュウズの高級マンションで、数十人のオリガルヒがイギリスの富を享受している。

彼らの子供たちは最も学費の高い学校に行き、配偶者はデザイナーの服を着て、彼らは最高級車を運転する。彼らは大学やその他の優れた機関に投資して評判を高めている。そして、涙が出るほど高いコンサルタント料をPR(パブリック・リレーション)会社に払い、猛烈に守られている。

幾人かは、プーチン大統領政権の利権で私腹を肥やした。他にも、中東の独裁者や麻薬密売者へのリンクをもつビジネスマンがいる。多くの場合、彼らのお金は贈収賄と腐敗によるものだ。

特に英国とその不動産市場は、不当な利益のためのセーフ・ヘブンとして長い間知られている。トランスペアレンシー・インターナショナル(訳注:汚職の摘発に取り組むNGO)は、不法資産から出た疑いのある財産を44億ポンド特定したと主張している。2015年に、国際犯罪庁は、マネーロンダリングによる不動産購入が住宅価格を押し上げていると警告した。

英国は、不法に取得した犯罪者だけでなく、汚職の疑いのある政治家や事業者からも違法に得た財産を押収するという記録があまりない。活動家たちは、警察が財産をより簡単に押収できる権限を導入し、変わることを期待している。

今週、摘発された不透明財源購買は、重大犯罪の疑いのある人物や、贈収賄や腐敗に関わる人物に、5万ポンド以上の財源を説明することが要求されるだろう。彼らがEU以外の国である必要があるが、 初めて、この法律が「政治的に暴かれた人物」 を取り扱うために権限を回復させ拡大した。

国家犯罪対策庁(NCA)は、2つのテストケースを検討している可能性があると考えられている。不透明財源購買罪は、はすべての国に適用できるが、ロシア人は特別な標的になると予想される。ヨット愛好家のセルゲイ・プガチェフ(Sergei Pugachev)は、何百万ポンドものポンドを隠していた。

 

高等裁判所の裁判官が、標的が犯罪者であると疑われる正当な根拠があることが納得させれば、不透明財源購買で取り締まることができる。容疑者が彼らの財源を説明することを拒否した場合、当局は、犯罪収益法の下で財産を押収することができる。このプロセスを完了するためには、この資産が違法に取得されたことを証明する必要がある。

古い政権の下でさえ、一部のオリガルヒはその財産を没収された。この中には、カザフの事業家で、何十億ドルもの資金を横領したと非難されたカフル・アブリアゾフが含まれており、彼の田舎の大きな屋敷は、2500万ポンドで売られていた。

これには、数千億ドルを訴追したカザフの実業家ムフタール・アブラザフ(Mukhtar Ablyazov)が含まれ、その国の不動産は2,500万ポンドで売却された。高裁判事が資産を凍結する命令を破ったことが判明した後、彼は2012年に法廷侮辱罪で有罪判決を受けた。彼が英国から逃げ出した後、屋内スイミングプールを持つ豪華な家が押収され、売却された。

2016年には、不名誉なロシアの銀行家が所有する150万ポンドのメイフェアのアパートと、2つの銀行口座で保有していた230,000ポンドがNCAによって押収された。欧州復興開発銀行(EBRD)の元エグゼクティブ・ディレクターであったエレナ・コトバ氏は、犯罪容疑が疑われる資産を引き渡す民事再生命令を遵守するよう、高等裁判所から命じられた。彼女はロシアを代表するEBRD(欧州復興開発銀行)に送られた外交官だった。

コトバ氏は、銀行にいた時は、ロンドンに住んでいたが、現在は、モスクワに住んでいる。警察は、英国に帰国すれば、贈収賄疑惑と政治的腐敗で逮捕されるだろうと述べた。

数多くのロシア人もまた、事件について高等裁判所と争っている。彼らの中には、10月に裁判官が判決を下した、5つの「虚偽の」信託で何百万ポンドを隠していたとするオリガルヒのセルゲイ・プガチェフ(Sergei Pugachev)が含まれる。フィナンシャル・タイムズは、信託は、ロンドンのバタシーとチェルシーの資産が含まれていることを述べた。

上級法執行機関の関係者は、犯罪と腐敗に対して、不透明財源購買は、戦いにおける銀の弾丸より、寧ろ、役に立つ武器と表現している。ある高官は、「不透明財源購買による摘発は、調査ツールであり、誰かに説明を求める命令であり、難しいことではないし、万能薬というわけではない」と述べた。

トランスペアレンシー・インターナショナルの弁護士の責任者、レイチェル・デイヴィス・テカ氏は、 「摘発されるべき、数多くの簡単に手に入る仕事がある」 と述べた。

更に次のように述べた。
「我々は、世界的な腐敗の国として共謀しています。我々には富を隠すこのシステムがあり、お金は、世界中の国々で健康と教育から取り除かれています」
「不透明財源購買(の摘発)」がうまくいけば、英国は腐敗した富豪にとって、より敵対的な環境になり得ます」

(海外ニュース翻訳情報局 MK)

 

 

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