【ロシアの主張・北朝鮮問題】ロシア政府、バンクーバー外相会議は中露提案の代替案を示せなかった

カナダのバンクーバーで外相会議が1月16日(現地時間)に開催され、北朝鮮問題について協議されています。今回の会議にロシアと中国は招待されておらず、両国は猛反発しているようです。本記事は、ロシアの大手ニュースサイトであるロシア・トゥデイからの紹介で、ロシア側の主張を限りなく直に伝えています。

Post 2018/01/20  21:24

RT 2018/01/17】

共同開催による米加外相会議は、国連安保理の決定を弱体化させる「強引な企て」にすぎないとロシア外務省は主張した。この会議では中露の構想に対する代替案を提示できなかったと、同省は付け加えた。

バンクーバー外相会議の参加者は、すでにある韓国の難局を緩和するための、中露によるロードマップに対する代替案を提示できなかったと、ロシア外務省は声明で述べた。声明では、「建設的な」結果にたどり着く代わりに、国連安全保障理事会(国連安保理)当局に対する「明らかな軽視」を寄せ集めたと言及している。

さらに、国連安保理決議がまとめた要求を踏み越える、北朝鮮に対する一方的な制裁を検討するという決定は「明らかに受け入れがたく、逆効果をもたらすものである」と、声明は付け加えている。同省はさらに、許可や命令なくして国連安保理決議の解釈を行う国があり、そのために国連の役割を弱体化させている状況は、「明らかに許容できるものではない」と主張した。

2017年7月にさかのぼると、ロシア政府および中国政府は「二重凍結」構想として知られる提案を前面に押し出していた。これは、北朝鮮政府が核および弾道ミサイル計画を一時停止することの見返りに、米国および同盟国が主要な軍事演習をすべて停止することを想定したものである。しかし、この構想は米国政府に拒否され、バンクーバー外相会議中の火曜日に繰り返し退けられた。

同日にロシア外務省は再度、この構想は「政治的および外交的な手段によってのみ[朝鮮半島周辺の]全体的な問題を解決する」ことを目的としたものであるという事実に関心を向けさせた。

バンクーバー会議は、それとは対照的に朝鮮半島情勢の正常化に寄与せず、すでにある緊張を深刻化させただけであったと同省は主張した。注目すべきことに、北朝鮮と国境を接する隣国であると同時に、地域で主要な役割を果たしているにもかかわらず、ロシアも中国もこの会合に招待されなかったのである。

先に、ロシア外務大臣のセルゲイ・ラブロフ(Sergey Lavrov)は、ロシアおよび中国は、会議の結果について「概略説明を受けた」のみであったことを伝えられたと語り、そのような態度は「受け入れがたい」と述べている。また、この会合が単に「逆効果」になることを防いでさえいれば、「それだけで素晴らしい結果」であっただろうと彼は語った。

中国政府も、外相会議は「わずかな正当性も代表性もなかった」と非難した。また、会議の参加者らは「冷戦の亡霊」を想起させるとして糾弾した。北朝鮮政府は、バンクーバー外相会議を、北朝鮮と韓国との対話を支援しない「挑発行為」であるとして批判した。

一方で、米国代議士のタルシ・ギャバード(Tulsi Gabbard)は、そもそも政策を変更すべきなのは、北朝鮮政府に核およびミサイル保有を進める方向に刺激した米国の体制であると言及した。彼女はツイッターで米国政府に、そのような政策実行を止め、北朝鮮との交渉で何十年も据え続けている「非現実的な前提条件」を放棄するよう要求した。

 

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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