【米国・新着情報】デブラシオNY市長、「億万長者通り」にホームレス用シェルターを開設予定

ニューヨーク市内のセントラルパーク周辺の高級住宅街の一角に、ホームレス用シェルターが3月に開設される予定とのことです。日本で例えれば、東京の麻布十番や広尾にできるような感じなのでしょうか。デブラシオ市長は、市内の5行政区すべてに、同様のシェルターを合計90か所作る計画とのことです。本記事は、ニューヨーク・ポストからの紹介です。

Post 2018/01/20  10:06

New York Post By Yoav Gonen, Jennifer Gould Keil and Elizabeth Rosner    2018/01/17】

ニューヨーク市長のビル・デブラシオは、男性ホームレス用シェルターを元パーク・サボイ・ホテルに開設する計画を静かに発表し、マンハッタンのいわゆる「億万長者通り(Billionaire’s Row)」の不意を突いた。

ニューヨークで最も高価なマンション『One57』を背にして建つ、西58丁目158番地の建物が、150人分の住民を擁する住宅に転用され、3月に開設される予定となっていることを、同市のホームレス・サービス課(Department of Homeless Services)が水曜に伝えた。

ニューヨークに5つある行政区のすべてに、90か所の新しいシェルターを作るという市長の計画の一部が、地元選出議員宛ての文書で先週明かされた。

「冗談でしょう?」と、サウスパークの象徴的な建物である、JWマリオット・エセックスハウスホテル・アンド・コンドー(JW Marriott Essex House hotel and condo)の住民は言った。

「ショックだよ。今聞くまで知らなかったから」

西58丁目にこの2年間住んでいる、ダンサーのビクトリア・バーダー(Victoria Bader)は、「なんでこんなことになったの。そんな通知はなかったわ」と言った。

マーケティング会社で勤務し、近くに住むパトリシア・ジェンキンス(Patricia Jenkins)は、「ニューヨークはホームレスでいっぱいになるし、解決策がなさそうね」と不満を表した。

「私にもどうしたらいいか分からないけれど、近所にホームレス用シェルターが来てほしくないことは確かだわ」と彼女は語った」

One57と、隣接するパーク・ハイアット・ホテル(Park Hyatt hotel)とで警備担当長を務めるリッチ・モンティラ(Rich Montilla)は、「宿泊客が、このエリアから離れてしまうのではないかと心配です。宿泊客とコンドミニアム所有者の出入口がそこにあるので」と語った。

「ここに来る(ホームレスの)紳士たちが暴力的なのかは分かりません。何を想定しておくべきかが分かりません」とも、彼は言った。

デブラシオ市長が、自身の「ホームレス問題打開プログラム(Turning the Tide on Homelessness program)」を昨年に発表した際、シェルター開設の少なくとも30日前には近隣住民に通知すると述べた。また、当局者は「コミュニティの合理的な懸念や提案を考慮する」とも述べている。

デブラシオ市長は、火曜の記者会見中に次のように言及した。

「選挙のかなり前に、新しいシェルターが90か所できるとお伝えしました。シェルターはあらゆる場所の近隣にできます」

この元パーク・サボイ・ホテルの住宅は、ウエストハブ社(Westhab)が運営する予定であるとホームレス・サービス課が伝えた。ウエストハブ社はシェルターや、ウエストチェスターやブロンクスにある手頃な価格帯の住宅を管理している。

安全対策には、少なくとも2人の守衛が入口に立つことや、監視カメラ56台を建物内部や周辺に配備することが含まれる。

ニューヨーク市の記録によると、この物件は2004年に387万5千ドルで購入したニューハンプトン社(New Hampton LLC)が所有している。

州の記録でニューハンプトン社の連絡先として掲載されているジョン・パッパス(John Pappas)は、コメントを差し控えた。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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