【英国:摘発】チャリティに寄付された衣類の回収作業をしていた東欧の奴隷たちを保護

 先進国で、未だに奴隷が保護されたというニュースは、一瞬「ギョ」とします。日本では「奴隷というものは過去のもの」と感じる人がほとんどではないでしょうか。しかし、英国には、現代にも奴隷制度が存在しているとされ、人身取引、強制労働、性的搾取等は大きな社会問題として認識しており、これに対応する形で、デイビッド・キャメロン前首相が、2015年にModern Slavery Act 2015 (現代奴隷法)を制定しました。この事件は、この法令ができてから初めての検挙だそうです。我が国も、改めて不法な労働について考え直してみるのもいいかもしれません。この記事は英国のタイムズから紹介します。
Post 2018/01/16  21:22

The Times by  David Brown 2018/01/16

東ヨーロッパの奴隷労働者が、慈善団体の代わりに家庭から寄付された服を集めるため働かされていたことを警察が明らかにした。

警察は、嫌疑のかかっているリトアニアの犯罪グループを捜査し、昨日、10人あまりの奴隷が救出された。
男たちは、共同宿泊施設に置かれる前はノーサンブリアへ人身売買され、彼らの賃金と利益はギャングによって牛耳られていたと言われている。

6人の男たちが、ニューカッスルとゲーツヘッドで逮捕された。

慈善事業に寄付された衣類やバッグの回収に、奴隷制度が関係したことは初めての事である。

東ヨーロッパを中心とするギャングは、合法的な団体が到着する前に、寄付を集めたり、回収袋で街頭を訪れたりするための偽の慈善団体を作った。

スティーブ・バロン(ノーサンブリア州警察署長)

ノーサンブリア州警察署長のスティーブ・バロン(Steve Barron)氏は、合法的な慈善団体がリトアニアの団体に回収品を提供するよう契約したが、警察はそのことを明らかにすることができなかった。「関連の慈善団体が、(回収を行っていた労働者が)現代の奴隷制度と人身売買の被害者であったことを知っていたとは思っていません」

このリトアニアの衣料品回収業者は、2000年代初頭から英国で活動していた。慈善団体は、寄付金が渡されないか、または慈善団体向けの衣服が偽の事業者によって横取りされたため、1年間に1000万ポンド以上の収益を失ったと考えられている。

チャリティ・リテイル協会(Charity Retail Association)の調査によると、回収袋の最大10%ほどがでたらめの可能性があることが分かった。

最近の事件で、警察は、ノースシールズに海外で衣服を加工し販売する工場が設立されたと述べた。ギャングは、犯罪活動の最前線として使われる合法的な事業を運営していると考えられている。英国歳入税関庁(HMRC)は、収益が慈善事業になったかどうかを調査中である。

(海外ニュース翻訳情報局 MK)

この記事が気に入ったらシェアをお願いします。