【米国・物議】ブライトバートのオーナーは、トランプとの確執中のバノンを追い出す議論をしている

バノン氏が、暴露本を出してから色々なところで物議を醸しだしています。バノン氏は、「もう終わった」という声があちこちから聞こえてきます。この記事は、ウォールストリートジャーナルから紹介します。
Post 2018/01/07  14:47  update 01/08 0:37

the Wall Street Journal By Julie Bykowicz, Janet Hook and Rebecca Ballhaus 2018/01/04】

ホワイトハウスの前首席戦略官の長年の後援者、億万長者ロバート・マーサー氏と娘のレベッカは、バノン氏を拒否

 

ドナルド・トランプ大統領とスティーブ・バノンとのますます深まる確執は、保守系ニュースサイト、ブライトバート内のホワイトハウス前首席戦略官としてのリーダーシップの地位を脅かしている。

そして、ホワイトハウスのアジェダに忠誠を尽くさない共和党党員との「戦争」をもたらすというバノン氏の計画を揺さぶっている。


バノン氏の長年の後援者である億万長者ロバート・マーサー氏と娘のレベッカ・マーサーに近い二人の人物によれば、マーサー氏は今週発表される本を事前に読んでおり、バノン氏とは積極的に距離をおいているという。

この家族と親しい人物によると、彼らと他のブライトバートニュースネットワーク有限会社の取締役たちは、バノン氏を追い出すべきかどうか木曜日議論していた。

検討事項の中には、バノン氏が関与するシリウスXMラジオを含むブライトバートの他の事業体との契約関係もある。

バノン氏が個人的に募集した多くのライター達であり、バノン氏が「殺人マシーン」と呼んだブライトバートのスタッフたちは、彼がその日もつかどうか、会社での混乱の一日を説明した。

トランプ氏はこう述べた。

「彼は、正気を失った。・・・・私や大統領職である私とは何の関係もありません」

トランプ政権の最初の年でのトランプ氏のホワイトハウスの内部を暴露したマイケル・ウルフの本「Fire and Fury」の中での大統領の家族への侮辱を含むバノン氏の数々の扇動的な発言に応えたものだ。

 


木曜日、ホワイトハウスのサラ・ハッカービー・サンダーズ報道官は、ブライトバートがバノン氏を追い出すべきかどうかについて質問されたところ次のように答えた。

「私は、とにかくブライトバートは見て検討すべきだと思います」と述べた。

バノン氏とその代理人はコメントの要請に応じなかった。

最近の2つのラジオ番組では、バノン氏はトランプ氏の支持を表明した。

彼は木曜日の朝、「我々とトランプ大統領と彼のアジェンダの間に(確執のようなものは)何も入りません」と述べた。

同日、トランプ氏は、バノン氏のお世辞じみたトーンを認めた。

「彼は昨晩、私を偉大な男と呼び、明らかに彼はトーンを素早く変えました」とトランプ氏は述べた。

一時的な政治的なパートナーの間の争いはまた、バノン氏が、彼の言う最終的に上院大多数のリーダー、ミッチ・マコーネル(共和党・ケンタッキー州)氏を倒すという最終的な目標であるプロジェクト、つまり共和党のエスタブリッシュメントを攻撃するというプロジェクトに財政的支援を得られるかどうか懸念を呼び起こしている。


8月にホワイトハウスを去った後、バノン氏はブライトバートニュースの舵取りに戻り、ポピュリズムを支持するグループに講演する世界ツアーを行った。

彼はまた政治的な競争と政策の戦いに使用するお金を調達するために非営利団体をつくり、今後数週間でプロジェクトを開始する予定だった。

「Citizens of the American Republic(アメリカ共和国の市民)」という名のこの団体は、11月21日にバージニア州に登録された。しかし、取り下げられた後にウェブサイトをテストするだけで、バ​​ノン氏はグループでほとんど仕事をしていないようだ。


トランプの大きな支持母体であるGreat America PACの戦略家、エンド・ロリンズ氏は、トランプ―バノンの確執がバノン氏を疎外させると述べた。

彼のグループは、キャンペーンで彼と一緒に働く計画は続けるつもりはない、と彼は言った。

「バノンは選挙戦で力を発揮し、非常に役立つ可能性がありました。・・・お金を出す人々は、トランプと結びついていると思う人々としか同調しません。彼はそれを失いました。」

ジェフ・セッション司法長官がアラバマ州の上院議員を辞任し、この上院銀の席を巡る選挙戦で、バノン氏がロイ・ムーア氏を支持した時、バノンの政治的戦略での行動は、早い段階で障害にぶち当たった。

数十年前に、ティーンエイジャーとの性的関係を持ったとして非難され、先月、ムーア氏は民主党員に残念ながら負けた。

 

 

数多くのバノン・ベンチャーを後押ししてきたバノン氏とマーサー氏との間の緊張は、何カ月も間、爆発寸前になっていた。

マーサー氏は11月、ヘッジファンドの最高経営責任者(CEO)として辞任し、ブライトバートの株式をレベッカ・マーサーに売却した。

同氏は、退陣書簡に、同氏の意見がバノン氏と必ずしも「一致」するわけではないが、バノン氏に「大いなる尊敬の念」を持っていたと書いている。

マーサー氏の見解と懇意な一人の人物によると、同氏はウォルフ氏の著書でバノン氏の数々の引用文を読んだ後、「衝撃を受けて、ぞっとしていた」と語った。

レベッカ・マーサー氏は、マーサー家の大統領への支持を再確認するためホワイトハウスに電話をかけたという。その後、彼女はバノン氏を叱責する珍しい公式声明を発表した。

「私は、トランプ大統領と彼が選出されたプラットフォームをサポートしています。」と同氏は述べた。

「私の家族と私は何ヶ月もスティーブ・バノンと連絡をとっておらず、彼の政治的アジェンダに資金的支援を提供していません。また、我々は、彼の最近の行動や声明を支持していません」


テキサスを拠点とする共和党の献金者、ダグ・ディソン氏は、バノン氏をトランプ氏の当選に決定的な役割を果たした「才気あふれる男」と称賛している。

しかし、同氏は、バノン氏は、前首席戦略官としてのエゴに負けてしまったと述べた。

同氏は、恐らくそのことが献金者をなくしてしまうだろうと述べた。

「彼は、大口の献金者クラスの誰とも信頼性がありません」とディソン氏は述べた。

「(我々が)大統領を支持するならば、スティーブ・バノンを支持することはできません。彼に資金を与えることを検討していた人は誰でも・・現在、彼らがバノンに資金を与えるとは考えられません」

実際、共和党を支持し、コロラド州の掘削サービス会社の最高経営責任者(CEO)であるダン・エバーハート氏は、バノン氏の政治プロジェクトを支援する計画を再検討していると語った。

「彼が外部でトランプ大統領の協力者でないなら、スティーブ・バノンの選挙区が何であるかは分かりません」とエバーハート氏と述べた。

10月のキャンペーンラリーでバノン氏と現れたアリゾナ共和党の上院候補、ケリー・ワード氏をはじめ、バノン氏の支持をうたっていた候補者たちは、ごく最近、バノン氏から遠ざかり始めた。

「スティーブ・バノン氏は、ワード博士が受けた多くの注目を集める支持のうちのほんの1つに過ぎない」とワード博士のスポークスマン、ザヘリー・ヘンリー氏は語った。

そして、バノン氏の別の選挙運動への訪問を歓迎するかどうかについてコメントを控えた。

バノンに支持されている候補者は、彼を否定すよう敵に強いられている。

ウェストバージニア州の共和党上院議員指名に立候補するエバン・ジェンキンズ議員は、ライバルのトパット・モリッシー司法長官に「すぐにバノンの支持を否定してください」と呼びかけた。

モリッシー氏のスポークスマン、ナシャマ・ソロベチェック氏は、バノン氏と協力関係での大統領支持を強調し、「トランプ大統領と彼の家族に対するこれらの攻撃を支持しない」と述べた。

一部の共和党候補者たちは、バノン氏を公然と拒否することを警戒していた。

ネバダ州のディーン・ヘラー上院議員(共和党)の攻撃をうけやすい上院議員の1人と対決しているダニー・タカニアン氏は、バノン氏の支持を歓迎しながらも、トランプ氏の忠実な支持者として自分をキャスティングしていると述べた。

「もし、バノン氏が、ディーン・ヘラー氏の支持をやめ、大統領を本当に支持する人と置き換えるため私を選んでくれるなら、私は彼の支援を歓迎する」とダニー・タカニアン氏は語った。

ジョン・コルニン(テキサス州・共和党)氏は、バノン氏との不和が2018年の共和党にとって良いチャンスだと述べた。

「バノン氏は、総選挙で勝てない候補者を募集し出て行きました」と述べた。
「優れた選挙に勝てる選挙候補者を指名するために、我々は仕事に戻ることができます」

トランプ・バノン確執で勝利を挙げている一人の人間がいる。

それは、マコーネル氏だ。

バノン氏を非難するトランプ氏の水曜日の声明直後、マコーネル氏のキャンペーンチームはツイートした。
そのツイートは、上院過半数のリーダーが、机の後ろに座り、満面の笑みで写っているマコーネル氏の写真だ。

 


(海外ニュース翻訳情報局 MK)

関連記事 :

【トランプ:声明文】マイケル・ウォルフ氏に書かせたスティーブ・バノンを激しく非難
【米国・物議】ブライトバートのオーナーは、トランプとの確執中のバノンを追い出す議論をしている

【米国・オピニオン】バノンはダウン、株式市場の上昇はアメリカのポピュリズムの再現

【トランプ暴露本・真相判明】アンチ・トランプ本の著者、ウォルフ氏はホワイトハウス関係者へのインタビューはしていなかったと認めた!!(動画あり)

ブライトバート追放】スティーブ・バノンが政治力を失った経緯

この記事が気に入ったらシェアをお願いします。