【世界情勢・分析】シンクタンク、2018年世界最大の政治的脅威は中国と警告

米国を拠点とするシンクタンクであるユーラシア・グループは、毎年、世界10大リスクを発表しています。2018年の世界最大のリスクは中国だそうです。「中国は真空状態を愛す(China loves a vacuum)」というタイトルで始まるこの分析は、昨年秋の中国共産党大会での習近平主席の演説は、「ソ連解体以来の出来事」とし、米国が残した「力の真空状態」を中国が狙っているとしています。本記事は、英国エクスプレスからの紹介です。

Post 2018/01/05  11:36

EXPRESS UK  BY By JON ROGERS 2018/01/04】

中国は、2018年最大の世界的な政治的リスクをもたらすと、シンクタンクが警告した。

ユーラシア・グループが行った分析によると、台頭する超大国は、「今年の世界最大リスク」である。

中国の第19回党大会は、「中国の現代史における転換点となった」と述べ、習近平主席の演説は、「ミハイル・ゴルバチョフ氏がかつてソビエト連邦を解体したとき以来の、地政学的に顕著な出来事としていずれ認知されるであろう」と警告した。

米国政府主導の多国間主義に背を向けたドナルド・トランプ米国大統領が残した、「力の真空状態」を中国が埋め始めていると、ユーラシア・グループは付け加えた。

分析の著者であるイアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏およびクリフ・カプチャン(Cliff Kupchan)氏は、中国が毛沢東以来の最強の指導者を有し、米国が「近代史上最弱な米国大統領の1人」を有する中、世界は「グローバルな再秩序の瞬間」にあると述べた。

中国は、3つの領域で脅威となったと著者らは主張した。

「グローバルなビジネス環境」は完全に変化し、「中国が推進するまったく新しいルール、標準、および慣行」に適応しなくてはならず、ビジネスを行う上でコストが高まるであろう。

中国の経済的・政治的影響は「支配的になりつつある」と、分析は付け加えた。

アジアのさらなる二極化につながりうる、中国の拡大に対する「抵抗」が増大すると、著者らは予測した。

分析では次のように述べている。「アジアの最大かつ最も発展した国である、日本、インド、オーストラリア、および比較的規模は小さいものの韓国は、習氏のアジェンダを自分たちの民主主義・資本主義モデルの脅威と考えるであろう。」

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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