【スペイン・陰謀】ウィキリークスの担当弁護士の事務所が強盗未遂に遭う

ウィキリークスは、米国をはじめとする各国の機密事項を、匿名投稿者らの内部告発によって次々と暴き出し有名になりました。各国が、創始者のジュリアン・アサンジ氏の身柄拘束に躍起になる中、ウィキリークス担当弁護士の事務所が強盗未遂に遭いました。そして、盗られたのは「クリスマス用のハム」のみだったそうです。本当に欲しかったものは何だったのでしょうか。本記事は、ロシア・トゥデイからの紹介です。

Post 2017/12/22 11:47

RT 2017/12/21】

マドリードで、フードをかぶった侵入者3人が、ウィキリークスの担当弁護士であるバルタサール・ガルソン氏の事務所に押し入った。3人は、防犯カメラをテープで覆っており警察は「非常にプロフェッショナル」な作戦であったと述べた。

この侵入は月曜の明け方に起こり、警察は「強盗未遂」として扱っていると、エル・パイス紙が報道している。

この泥棒たちは金銭を盗っておらず、警察は、ガルソン氏のコンピューターからファイルを盗む、あるいは複製していないか、専門家の確認を待っている。警察は、事務所入り口にある防犯カメラを解析中である。

「彼らは、自分たちが探していたものは取っていない」と、ガルソン氏はエル・ペリオディコ紙に伝えた。彼は、(スペインのラジオネットワーク)Cadena SERに、顧客の安全は「影響されていない」こと、および「非常に迅速に行動した」ことを確認した。

サーバーに保存された情報を複製しようとした者がいたが、失敗に終わったと事務所の従業員が警察に伝えたことを、エル・ディアリオ・バスコ紙が報道している。彼らが事務所から盗んだものは、クリスマス用のハムのみであった。

(ウィキリークス創始者)アサンジ氏とウィキリークスは、この侵入についてツイートし、彼らに対するCIAの追跡と結び付けている。マイク・ポンペオCIA長官は、この内部告発組織について数多くの威嚇的な発言を行っており、ウィキリークスのことを「敵対的諜報機関(hostile intelligence service)」と表現している。一方、ジェフ・セッションズ司法長官は、4月にアサンジ氏の逮捕は「優先事項」であると述べ、司法省はこの内部告発組織に関与した者に懲役を求める取り組みに「力を入れ始めた」。

「ウィキリークスに対するCIAの脅しが過熱しているときに、少なくとも3人の覆面した黒ずくめの男が、ウィキリークスの主任法律顧問である、バルタサール・ガルソン氏の法律事務所に押し入った」と、ウィキリークスは書いた。

ガルソン氏はアサンジ氏の法的弁護の指揮を執り、スウェーデンへの身柄引き渡しを避けるべく、アサンジ氏の(性的暴行容疑)事件に取り組んでおり、また、米国当局が彼に対して用意したと言われている容疑についても準備を行っている。

がルソン氏は、役人や、ジェノサイド(大量虐殺)および戦争犯罪の容疑者に対する捜査で知られている。その中には、チリの元支配者であったアウグスト・ピノチェト氏が含まれており、スペイン内乱中およびフランシスコ・フランコ将軍の独裁下で起きた犯罪についての捜査を始めた。

ガルソン氏は、グルテル・ネットワーク*の資金洗浄を不法に盗聴したとして有罪になった後、2012年にスペインで判事として職務を行うことができなくなった。彼の支持者と人権団体は、彼に対する訴訟は「人権に対する脅威」であると語った。

グルテル・ネットワーク
スペイン・国民党幹部らのによる汚職事件「グルテル事件」での汚職網を指す。グルテル事件では、1999~2005年にかけて公共事業を受注した企業が同党幹部に受注額の一部を支払っていたとされる。公金横領などの罪で37人が起訴された。国民党党首のラホイ首相も証人として出廷した。(時事通信より)

(参考資料)
現代ラテンアメリカ情勢

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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