【ミャンマー・恐ろしく残忍】国連人権高等弁務官、スー・チー氏はロヒンギャ大量虐殺の罪に値すると発言

ミャンマー政府は、国境近くのラカイン州を中心に暮らすロヒンギャに国籍を認めず、不法移民として扱っています。以前からロヒンギャに対する人権問題が問題になっていましたが、国の指導者であるアウン・サン・スー・チー氏がこの問題に正面から取り組まない姿勢が批判されています。本記事は、ロシア・トゥデイからの紹介です。
Post 2017/12/20 17:52

RT 20117/12/20】
国連人権高等弁務官によると、ミャンマーで、ロヒンギャのイスラム教徒が民族浄化されたことを受け、アウン・サン・スー・チー氏と、ミャンマー軍事政権国軍司令官のアウン・ミン・フライン氏は、将来的にジェノサイド(大量虐殺)の罪に問われる可能性がある。

国連人権高等弁務官のゼイド・ラアド・アル・フセイン氏は、自身は非難する立場にはないものの、ミャンマーのラカイン地域でのロヒンギャに対する、「恐ろしく残忍な攻撃」の現状を見れば、将来的に国際社会が本格的に調査するのは当然であると考えている。

「軍事行動の規模を考慮すれば、これは明白に、上層部により決定されたものでしょう」と、フセイン氏はBBCに伝えた。「利害関係が膨大であるということですね。国際社会の重大な懸念に対する反応として、このように不実な態度に出ることは、本当に憂慮すべきです。」

12月の始めまでに、ロヒンギャ総人口のおよそ3分の2が、8月に始まったミャンマーでの暴力から逃れた。65万人を超えるロヒンギャ難民がバングラデシュの(ミャンマーとの国境に近い都市)コックスバザールに多量に流入し、そのうちの60パーセントが子どもであると、(国際連合人道問題調整事務所のウェブサイト)リリーフウェブ(Relief Web)が報告している。

「明らかな理由から、大量虐殺を犯そうと計画していれば、その計画を書面にして命令することもありません。立証への敷居は高いのです」と彼は語った。「しかし、将来的に裁判所が、我々が目にすることに基づいて事実認定することがあっても驚きません」。

これは、「何らかの、はるかに悪い局面の幕開けに過ぎないかもしれません」とフセイン氏は語り、地域内のイスラム教徒と仏教徒との間で潜在的に起こりうる宗教的衝突を警告した。

国際社会の中からは、スー・チー氏に対し、今夏に起こった暴力の何か月も前から、介入を広く呼びかけたものがあった。

「私は、彼女に、このような軍事行動を止めさせるよう要請しました」と、フセイン氏は2016年10月に勃発したラカイン地域での暴力について語った。「彼女に、終わらせるためにできることは何でもやってほしいと、感情的な立場から要請しました・・・。しかし、非常に残念なことに実現しなかったようです。」

ミャンマーの(人権状況に関する)国連特別報告者である、李亮喜(イ・ヤンヒ)氏も、暴力が勃発する2週間前に、域内での(行動の)抑制を求める警告を公式に発表した。

村全体が跡形もなく破壊され、組織的なレイプや、数千の非合法な殺害が報告されている。民族浄化は宇宙衛星からでも見ることができた。

スー・チー氏が、与党である軍事政権に対してほとんど、あるいはまったく権限を持たない一方で、国際的に認知された人権の擁護者としての立場は、自国の軍を非難するだけの権威はあると見られていた。スー・チー氏は1991年にノーベル平和賞を受賞し、2010年11月13日に解放されるまで、15年近く自宅軟禁下に置かれていた。

ミャンマー憲法の下では、軍は「国の治安部隊および行政府と同様に、内務省、国防省および国境省を統制する。」スー・チー氏も、息子が外国市民であるため大統領府を掌握することを禁じられている。

ノーベル賞受賞者の同輩である、マララ・ユスフザイ氏も、スー・チー氏の危機対応を公然と批判した。

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(マララ氏のツイッター)
ニュースを見るたびに、ミャンマーにいるロヒンギャのイスラム教徒たちの苦しみに胸を痛めています。

私は次のことを要求します。
・暴力を止めてください。今日、私たちはミャンマー治安部隊に殺害される、幼い子供たちの光景を見てきました。この子どもたちは誰も攻撃していないのに、家は跡形もなく焼き尽くされました。

・彼らの国が、何世代にも渡って暮らし続けたミャンマーにないのであれば、どこにあるのでしょうか。ロヒンギャの人々は、彼らが生まれたミャンマーで市民権を与えられるべきです。

・私の母国であるパキスタンを含む他国は、バングラデシュの例に従い、食糧、避難所、教育へのアクセスを、暴力と恐怖から逃れてきたロヒンギャの家族に与えるべきです。

「ここ数年間、私はこの悲劇的かつ恥ずべき対応を、繰り返し非難してきました」とマララ氏はツイッターで書いた。「ノーベル賞受賞者の同輩であるアウン・サン・スー・チー氏も同様に行動するのを、今も待っています。世界は待っています。そして、ロヒンギャのイスラム教徒たちも待っています。」
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ニューヨークタイムズ紙によると、米国国務長官のレックス・ティラーソン氏は、状況を非難し、ミャンマー軍は「恐ろしい残虐行為」を「数万人の〔強制的に〕家を明け渡すこととなった男女および子どもたち」に対して行ったと主張した。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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