【米国・FBI】『アンティファ思想』熱狂者を捜査

米国で今年8月にバージニア州シャーロッツビルで、白人至上主義者の抗議集会で反対活動を行っていた左翼活動家らに車両が突っ込み、1名が殺害される事件がありました。この際、トランプ大統領は明確に白人至上主義者らを批判せず、どちらにも暴力行為があったとの見解を示し、激しい非難を浴びています。本記事では、極左活動を行うアンティファ思想に傾倒する者の多くが、暴力行為の恐れありとしてFBIの捜査対象になったことを紹介しています。本記事は米国・ワシントンエグザミナーからの紹介です。
Post 2017/12/02  9:38 update 14:12

【WashingtonExaminer by Joel Gehrke and Kelly Cohen 2017/11/30

「我々は思想を捜査しないので、思想であるアンティファは、アンティファとしては捜査していない」と、FBI長官であるクリストファー・レイ氏は議員らに伝えた。

連邦国内テロ捜査員らは、「アンティファに類する思想」に熱狂する「数多くの」者たちを徹底的に調査していると、FBI長官であるクリストファー・レイ氏は木曜、国会議員らに伝えた。

「我々には、非常に活動的な国内テロ対策があります」とレイ氏は、下院国土安全保障委員会で伝えた。「また、我々は思想を捜査しないので、思想であるアンティファを、アンティファとしては捜査していない一方、我々は数多くのいわゆる無政府主義過激派の捜査を行っています。そこには、アンティファに類する思想で暴力的な犯罪行為をもくろんでいることを、我々が正確に予測した対象者がいるのです。」

レイ氏は、FBIは約1,000件の公開での国内テロ捜査を行う一方、その中に1つとして「思想や考え、または弁論」に注視して行ったものはなく、脅威に基づいて行っていることを強調した。

極左のアンティファは、左翼活動家と極右白人至上主義者、あるいは白人優越主義であるとして非難されている右翼の演説者との間に起きた一連の事件の後、8月に国内の政治論争の前線に立つようになった。右翼側の抗議者と、抗議者に対抗する左翼側は、ついにはバージニア州のシャーロッツビルで白人至上主義者が開催した集会で暴力に発展し、集会に参加した個人が左翼活動家の群衆の中に車で突っ込み、抗議者に対抗していた者が殺害された。

トランプ大統領は当時、殺人の犠牲者が、右翼抗議者らに対抗する側のメンバーであった集会では「どちらの側にも」暴力があったことを強調して厳しい批判を浴びた。この事件で、極右のマイロ・ヤノプルスのような演説者から、従来型の保守派ベン・シャピロといった右翼政治活動家の大物が演説を行うのを妨害するため、アンティファが暴力で脅すという事例も注目された。

シャーロッツビルでの殺人に配慮し、別の議員は、対テロ資源は車両を武器として使う「ISIS型テロリスト」に加え、白人至上主義者への捜査に使われているのかとトランプ政権当局者らに圧力をかけた。

「どちらの集団も等しく脅威であると思います」と下院議員のルイス・コレア氏(民主党、カリフォルニア州)は聴聞会で語った。「テロ攻撃で米国市民が命を失っています。犯行を動機付けたものがISISであろうと白人至上主義者であろうと関係なく、これは我々の社会と国にとっての悲劇です。」

レイ氏は、FBIはISISや他の外国テロ組織を監視するようなやり方で、国内集団を監視することは当然ながらできないと繰り返した。

「言葉を変えれば、(信教・言論の自由などを保障した)米国憲法修正第1条の問題や、表現の自由の問題、過去にあった多少なりとも醜悪なFBIの歴史のために、国内テロ戦線においては非常に詳細な規則があります。」と彼は語った。「捜査を始めるには、連邦犯罪であるという信用性のある証拠、[また]政治的または社会的な目的を推し進めていて、力や暴力に訴える脅威がなくてはなりません。そして、これら3つすべてがそろって初めて、我々は極めて果敢な捜査を始めるのです。」

(米国)国土安全保障省長官であるエレイン・デューク氏も、この懸念に同調し自身の省でも国内テロを阻止するための措置を取っていると語った。

「我々が取った主要な措置の1つは、テロ防止パートナーシップ室を始めたことです。これは、我々が得たあらゆる情報を州や地元自治体に確実に共有することで(中略)このような集団による、あらゆる形式のヘイト・クライムに対処します」と彼女は語った。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

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