【ドイツ】欧州初、法律上で第三の性別を認める国となった

ドイツ連邦憲法裁判所は、判決で「第三の性別」を認めました。これは、カリフォルニアに続くものであり、欧州では初となります。詳細についてはこれから法整備が行われていくようですが、各種書類の性別欄がどうなるのかなど、今後の動きに注目です。米国・ビジネス・インサイダーからの記事を紹介いたします。
Post 2017/11/11 13:58

Business Insider  By  Sarah van Cleve  Nov.9 2017

・裁判所の判決により、ドイツでは出生時に第三の性別という選択肢を採ることができるようになる。

・カリフォルニアに次いで第三の性別を公式に認めた。

・第三の性別という選択肢についてはまだ(詳細が)決定されていない。選択肢の1つは、性別を出生証明書からすべて外すことである。

カリフォルニアが最近、公式に第三の性別を認める法律を可決した後、ドイツの裁判所は同様に認める判決を下した

ドイツ連邦憲法裁判所の判決で、立法者は出生時において、第三の性別表記を認めなければならないと決定した。男性・女性の選択肢のみを許可することは、ドイツ連邦政府の差別禁止に抵触し、それゆえに憲法違反であると決定した。

この判決は、2013年にインターセックス*の人が、国の出生登録などで(自身の性が)認められることを求めて提訴した裁判のものである。国は2013年に、登録で性別を空欄のままにする選択肢を許可する決定をしていたが、裁判所は、それでは不十分との判決を下した。

*インターセックス:米国国立健康研究所による定義では「先天的な生殖系・性器の異常」とされている。より一般的には、外性器・内性器・内分泌系(ホルモン異常など)・そして場合によっては性染色体などが、「普通」とされる「男性」もしくは「女性」と異なる場合を指す。

 

立法者は、2018年12月末までに新しい法律を施行しなければならない。出生登録での新しい選択肢の可能性は、「インターセックス」または「多様」を選択肢として表記するか、性別の記入をすべて外すかが挙げられる。国会議員らは、裁判所の判決に対し好意的な見方を表明した。

「我々は、全面的に連邦憲法裁判所の決定を尊重し、政府も全面的に決定を実行したいと考えています。」とドイツ内務省のスポークスマンであるヨハネス・ディムロス氏はCNNに伝えた

判決およびこれから制定される法律は、インターセックスに生まれた人にのみ影響する一方で、支持者らはドイツで性別の二元性に対する、より偉大な挑戦につながることを望んでいる。

「この判断は、ドイツにおけるインターセックスの人にとって非常に重要な一歩です。これが社会において再考につながり、性別は2つだけではないということに気づくきっかけになるといいと思います」と、ドイツのアムネスティ・インターナショナルでLGBTI**の権利に関する専門家であるマヤ・リービング氏は、CNNに伝えた。

** LGBTI:レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックスの頭文字からとった略語

判決はもともと10月10日に下されていたが、ちょうど(11月8日の)インターセックス結束の日に公表された。

(海外ニュース翻訳情報局 渡辺 つぐみ)

 

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