【日米関係】トランプは、貿易と北朝鮮問題に関して日本を激しく非難した

トランプ大統領の訪日についての海外の記事を紹介します。この記事は、ワシントンDCとニューヨークを拠点とする多国籍デジタルメディア,Voxからです。
Post 2017/11/08  18:00 update 11/09 6:43

Vox By Zeeshan Aleem     2017/11/06

彼は、「サムライ戦士」の国が北朝鮮のミサイルを撃墜していないことにショックを受けた。

ドナルド・トランプ大統領は、日本側関係者を非難するために訪日した。米国との不公平な貿易慣行を非難し、日本が北朝鮮から自分を守るためにもさらに多くの努力する必要があると強く主張した。

しかし、いずれの場合も、大統領の刺激的なレトリックは、米国の重要な同盟国に対する彼の非難を弱める状況であり基本的な事実の無知を示​​した。

月曜日、日本の安倍晋三首相との記者会見で、北朝鮮がここ数カ月に上空を飛んだ弾道ミサイルを撃墜しなかったことについて日本を非難した。

「[安倍は]米国から大量の軍装備品の追加購入を完了すると、空からそれらを撃墜するだろう。 」「首相は大量の軍事用品を購入する予定です。そして我々は、間違いなく最高の軍装備品を作っています。」とトランプは述べた

安倍晋三首相はこのような取引を検討していたが、将来的に北朝鮮のミサイルを撃墜するというトランプの熱意を全面的に支持することは拒否した。「必要に応じて撃墜するだけです。」と言った。

日本に向けたトランプの高圧的な指示は、先週末、最近の北朝鮮のミサイルを「なぜ撃墜しなかったのか理解できない」とアジアの指導者に伝えていたとの週末の報道 を暗示した質問に答えるものであった。

しかし、日本にはこれを控える理由がいくつかあった。ジャパンタイムズが強調するように、北朝鮮が8月と9月に日本上空を通過したミサイルは日本の領土に落下しないだろうと日本の軍隊(原文ママ)は即座に断定した。

彼らはまた、北朝鮮のミサイルの速度と高度を考えると、現在のミサイル防衛システムで撃墜するのは難しいだろうと計算した。日本が北朝鮮のミサイルを迎撃して失敗したとすれば、恥ずべき事態になり、潜在的により確実に北朝鮮に攻撃を始める可能性のある彼らの防衛システムの信頼性を徐々に蝕んでいくだろう。

さらに法的に複雑な要素もあった。新潟県の国際大学国際関係学科の山口昇教授はニューヨークタイムズ紙に対し、次のように述べた。
1)国民が実際に危険にさらされているか、2)同盟国のいずれの国かが攻撃されている。北朝鮮のミサイルは実験兵器であり、弾頭に炸薬を搭載していない。

これに加えて、安倍首相は、北朝鮮のミサイルを撃墜するために日本の議会から承認を必要とするだろうと、山口氏は述べた。

トランプは日本が貿易で不正をしていると非難した。しかし、彼の議論は説得力がない。

トランプは、日本は、特に自動車分野での貿易慣行で米国を利用していると非難した。しかし、ここでも彼の非難は現実とは矛盾している。

「公平でオープンな取引がしたい。しかし、今、日本との貿易は公平ではなく、開かれていません。」と、トランプ氏は月曜日、東京の日本と米国の企業経営者たちに語った。「米国は長年にわたって日本との巨額の貿易赤字を被ってきました。日本から米国には何百万台もの車が売られていますが、実質的に米国から日本に車はほとんど行きません。」

トランプのコメントについて、ここでいくつか指摘する必要がある。

第1に、もし米国が他の国との貿易赤字を抱えているとすれば、その国が米国の輸出より、「不公平」であることを自動的に意味するとトランプは考えている。

コロンビア大学の経済学者である伊藤隆俊氏は、次のように述べた。
「あなたが述べる基本的な貿易理論は真実ではありません。」
伊藤氏はまた、
「日本は貿易において開かれており、公平であり、世界貿易機関(WTO)(農産品の取り扱い方法を除いて)の規定に従って運営されています。日本のような国が米国と貿易黒字を抱えている場合、比較優位性を反映しています。」と述べた。

アナリストらは、日本の自動車はアメリカ市場では好調なものの、日本の市場ではアメリカ車が非常に不調であるというトランプの懸念について、アナリストらは主に、不公平な貿易慣行ではなく、消費者の嗜好に関するものだと語る。

国際自由貿易協定(EPA)の上級研究員であるキャロライン・フロインド氏は、日本が車をドイツに販売するより、ドイツが日本に販売する車の方が多いという事実を指摘している。

フロインドは、「日本の市場は、米国の生産者が日本人にアピールする車を作ればアクセス可能である」と語る。

言い換えれば、本当の問題は、日本が自動車輸入をブロックしているということではなく、米国がより良い車を作る必要があるということである。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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