【ウクライナ】数千人のウクライナの子どもたちがベラルーシに強制連行されたことがエール大学の調査で判明

ウクライナーロシアの戦争の中で、ベラルーシがウクライナの子どもたちを強制連行したという報告書をイエール大学が発表しました。
このことについてVoice of Americaが記事にしていましたのでご紹介します。
報告書については記事内リンクをご覧ください。

《引用記事　VOA》

2022年にロシアがウクライナに侵攻して以来、2,400人以上のウクライナの子どもたちがベラルーシに連行されたことが、イェール大学が16日木曜日に発表した新しい調査結果で明らかになった。

イェール大学公衆衛生大学院の人道研究室によるこの調査結果は、ベラルーシがロシアによるウクライナの子供たちの強制連行に関与しているとされるものとして、これまでで最も詳細に及ぶものである。

報告書によれば、6歳から17歳までのウクライナの子供たちは、ウクライナのロシア占領地域の少なくとも17の都市から移送されていたことが明らかにされている。

イェール大学は、2022年9月から2023年5月の間に、ベラルーシのミンスク地方にあるドゥブラヴァ児童センターに移送された2,000人以上の子どもたちを特定した。報告書によれば、390人以上の子どもたちが他の12の施設に移送されたという。

これに加えて、戦争が始まって以来、ウクライナからロシアに強制連行されたウクライナの子供は約20,000人以上いると、キエフの人権地域センターの法的専門家であるカテリーナ・ラシェフスカが述べている。

ウクライナの戦争犯罪検察は、ウクライナの子どもたちの強制移送をジェノサイドの可能性があるとして調査している。

一方で、木曜日にはロシアの砲撃がウクライナ南部のヘルソン地域で2人を殺害し、少なくとも12人を負傷させたと地元の当局が発表した。

死者の中には、その地域最大の町であるヘルソンに住む75歳の女性も含まれていて、地域知事のオレクサンドル・プロクディンはテレグラムアプリで述べた。彼の投稿によると、8人が負傷しているとのこと。

同日木曜日、デビッド・キャメロン英外相がオデッサ港を訪れ、ウクライナの戦争努力への継続的な支援を約束した。

キャメロン外相の訪問は、前英国首相が外務大臣に任命されてから初めてのことである。

また、ロシアのウクライナ戦争中にロシア軍の空爆の標的となった港湾都市を、英国の外交官が訪れるのも初めてのことだ。

キャメロン外相は、英国がウクライナに必要なあらゆる支援を継続すると述べ、「特に、我々は今年と来年だけでなく、どれだけ長くなろうと、必要な軍事支援を提供し続ける」と語った。

この訪問は、ウクライナが中東でのイスラエルとハマスの戦争に関心が移っていること、欧州連合（EU）が約束したすべての軍需物資を提供できないこと、アメリカでの政治的な争いがウクライナへの追加援助を脅かしていることなど、戦争遂行努力で大きく後退する事態に直面しているときに行われた。

英国は、ウクライナへの57億ドルの軍事援助は米国に次ぐものであり、同国は3万人のウクライナ軍を訓練していると述べた。

キャメロン外相は木曜日の声明で、「ロシアはこの戦争を時間を終わるまで待てると考えており、西側諸国が最終的に他の方向に注意を向けると考えている」「これは全く真実からかけ離れている。私の新しい役職でゼレンスキー大統領と初めて話す中で、私は英国とパートナー国がウクライナとその人々を勝利に導くまでサポートし続けると明言した」と述べている。

ウクライナの反撃はほとんど成功しておらず、戦争は膠着状態に陥っているようだ。ゼレンスキー大統領は、「眠れる火山が必ず目を覚ます」と警告している。

ゼレンスキー大統領は水曜日にキエフでアフリカのジャーナリストに対して、「我々はいかなる膠着状態も許されない。戦争を終結させたいならば、戦争を終結させなければならない。誰であれ、捕らえられ、殺された者に責任があることを全世界に知らしめるために、敬意をもって終わらせるのだ」と述べた。

ウクライナ大統領によれば、もし戦争が膠着状態になれば、将来の世代のウクライナ人は戦わなければならなくなる。なぜなら、「ロシアは その場所に戻らなければ再びやってくるからだ」という。

ゼレンスキー大統領の発言は、ウクライナ軍総司令官のヴァレリー・ザルジニー将軍が『エコノミスト』誌に対し、戦争は “膠着状態に陥る技術レベルに達している “と語った2週間後のことだった。

ゼレンスキーは、戦場の状況は依然として非常に困難であることを認めたが、戦争が膠着状態に達したとは考えていないと述べた。同大統領は、ロシアがウクライナ領土から完全に撤退するまで、ウクライナはロシアと交渉しないと強調した。

（海外ニュース翻訳情報局　樺島万里子　文・翻訳）