【中国:ファクトチェック】人民解放軍によるクーデターで習近平が軟禁状態というデマ

By Mariko Kabashima

今週、習近平国家主席が人民解放軍 (PLA) によって自宅軟禁されているという中国からのいくつか発信され、#習近平がツイッターでトレンド入りし始めました。

このハッシュタグの下で、多くの人々が面白いミームや晋平国家主席に対する投稿をシェアしています。

この記事を主に発信しているのは、主にインド系のメディア

まずはこれらの記事からインドのNewsXの記事を少しだけご紹介します。


このニュースは、中国の人権活動家ジェニファー・ゼンがツイッターで動画を共有した後に発信された。

ゼン氏のビデオでは、数台の軍用車両が道路を走っていて、車列の長さは 80 km であり、習近平が自宅軟禁されたという噂があると述べている。

「9 月 22 日に #北京に向かう #PLA (人民解放軍)軍用車両。北京近郊の桓台県から始まり、河北省張家口市で終わる行列全体は 80 キロにも及ぶ。一方、中国共産党幹部が人民解放軍の指導者として習近平を解任した後、習近平は逮捕されたという噂がある。」

北京の報道によると、さらに中国は国内外6,000便以上のフライトをキャンセルされ、また、情報筋によると、高速鉄道は追って通知があるまで完全に運行を停止し、チケットの販売もすべて中止されたという。

中国の国家主席は先日、第22回上海協力機構(SCO)首脳会議に出席したが、今回はCovidー19の蔓延によって2年ぶりにウズベキスタンで召集された。不思議なことに、習近平は8カ国からなる有力組織の創設メンバーでありながら、控えめな態度をとり続けていた。サミットには間違いなく出席していたが、インドのナレンドラ・モディ首相との2国間会談は避けた。

SCO会議には出席したが、首脳会議には積極的に参加せず、かなり早く退席したと言うのが妥当であろう。

噂によると、習近平はSCO会議が正式に終了するのを待たずに中国に出発したらしいが、もしかしたら、中国での出来事を気にしてのことかもしれない。

到着した空港で習近平氏拘束され、現在は中南海の邸宅に軟禁されているという。

-出典 NewsX (インドのメディア。NewsX は、ENBA(The coveted exchange4media News Broadcasting Awards ) で名誉ある「ニュース チャンネル オブ ザ イヤー」賞を受賞しました。)

そしてこれらの記事のファクトチェックは、インドのメディアFactlyと米国のPolitifactからご紹介します。

Politifact】【Factly

習近平の解任が実現したとすれば、2019年にCovid-19の大流行が起きて以来、同国から発信される最大のニュースになるかもしれない。中国の国内線・国際線は一時的に運航停止、チケット販売も保留、中国共産党は中国国内・国外への交通を監視している。

これは、中国西部での軍事活動の可能性に至るまで、中国で「何かが起きている」という報告で賑わっている。 

そのような推測で引用された証拠には、中国の一部で旅客便がキャンセルされたという報告、習近平がしばらく公の場に出なかった、首都北京に向かって移動しているとされる軍用車両の映像が含まれている。 

https://twitter.com/InsightGL/status/1573498904272052225?s=20&t=v5ap_icP1k-QEfmbyL9dTw

しかし、これらの推測に関する公式のコメントも、首都への軍の移動に関する確認された報告もない。 

ここでは、特にインドでSNSで言われていることと、私たちが確実に知っている事実をシェアする。

・中国習近平国家主席はクーデターの噂があっても政権を維持している。

・9月27日、北京にいる中国の習近平国家主席は、9月16日のウズベキスタン訪問以来、初めて公の場に姿を現した。

・公の場に姿を現さないという時系列は、海外からの旅行者に7日間のホテルでの隔離、その後3日間の自宅隔離を義務付ける同国の厳格なゼロコロナ政策と合致するものだろう。

・クーデターの噂が流れた数日後、習近平は来月開催される中国共産党全国代表大会の代表者発表で大きく取り上げられ、前例のない3期目の総裁就任が予想されることになった。


中国の習近平国家主席は数日間、公の場に姿を現していなかった。

そこで、インターネットは誤った結論を導き出し、ソーシャルメディアのページ上にそれを撒き散らした。
「中国の習近平国家主席は軟禁された。中国の習主席は軟禁され、PLA(人民解放軍)によるクーデターだ」と、中国の政治指導部が突然危険にさらされたとする投稿がFacebookTwitterにいくつも投稿された。

これらの投稿は、Facebookがニュースフィード上の偽ニュースや誤報に対処するための取り組みの一環として、フラグを立てられた。

この場合、フライトのキャンセル、軍の車列のバイラルビデオ、最高司令官の退任、習近平の公の場からの不在などを織り交ぜたデマに過ぎないようだ。

我々が取材した専門家は、中国でクーデターが起きている証拠はないと言い、習近平は火曜日に公の場に再び現れ、噂を一掃したようである。
AP通信は、習近平が北京で開催された展示会を訪れる姿が中国国営テレビに映し出されたと報じた。

「これらは噂であり、実際に証拠はない。」
ランド研究所上級国際防衛研究員のティモシー・ヒース氏は、習氏の再登場前にこう語っている。

「習近平が表舞台から姿を消したため、人々はこの噂を始めたが、これは次の党大会に向けた通常の準備に過ぎない、」

ヒースは、10月16日から始まる中国共産党の全国大会のことを指している。そこでは、習近平は前例のない3期目の国家主席を任される見通しだ。2018年、習近平は党の憲法を改正し、国家主席の任期制限を撤廃した。

中国はこの噂に公には触れていないが、9月25日、国営新華社通信が習氏を称賛する序文で大会の代表者名簿を発表し、習近平氏の権力が危ういという考えを打ち消した。

ある専門家がポリティファクトに語ったところによると、習近平が公の場に姿を現さなかったのは、中国が海外渡航のために制定した厳格なCOVID-19プロトコルのためであったようだ。

9月16日にはウズベキスタンで開催された上海協力機構の首脳会議に出席し、ロシアのプーチン大統領とも個別に会談している。

中国のゼロコロナ政策では、海外旅行者は7日間ホテルで隔離され、その後3日間の自宅隔離が義務付けられている。習近平が9月27日に公の場に姿を現したのは、この時系列に合致する。

習近平が最近香港を訪問した際にも同じようなことがあり、1週間ほど姿を消し、様々な憶測が飛び交った。アトランティック・カウンシルのデジタル・フォレンジック・リサーチ・ラボの中国担当フェローであるケントン・ティボーは、「彼は実際には隔離されていただけだ」と述べた。

クーデターの主張がどこから始まったのかを特定するのは難しい。

「この種の噂は、いくつかの出来事と重なって、表面上は、これが起こるかもしれないと人々に少しばかりもっともらしく思わせた」とティボー氏は言う。

中国陸軍上将の李橋銘がが司令官のポストを去った翌日から、噂は始まったという。多くの人が、習近平の後任は李橋銘が就任したと述べている

習近平の最新映像はこちらからご覧になれます。

デマには気をつけましょうね。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子 文・翻訳)

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