【米国】アレックス・ジョーンズはクラシスアクター・デマで損害賠償を負う責任があると判決

By Mariko Kabashima

この裁判はやっと判決が出たんですね。

トランプ支持者の極右の陰謀論者アレックス・ジョーンズが、銃乱射事件についての陰謀論を自身のネットTVで「InfoWars」で、「この事件はやらせであり、被害者たちはクライシスアクターである」と散々デマや陰謀論で煽り、遺族から名誉棄損の訴えをこされ、2019年10月と12月に合計12万6000ドルの罰金を科された有罪となっていました。

2021年1月22日、テキサス州最高裁判所はサンディフック事件の被害者の家族たちによる名誉毀損と苦痛を理由とする4件の訴訟を棄却するというジョーンズの要求を却下しました。判事はコメントなしで出された判決は2つの下級裁判所によるこの訴訟の継続を支持しました。

これについてジョーンズ氏はずっと逃げていましたが、ジョーンズ氏に責任があると判決されました。

今は、アレックス・ジョーンズは主要なSNSからはBanされています。
同氏は、このことについて言論の自由が奪われたと言っていました。

現在日本でも、アレックス・ジョーンズのように陰謀論やデマを糧としている論壇たちも少なくありません。

恐らく今後日本でも、この手の訴訟が起こされることが当たり前になり、その発言の責任を問われるでしょう。

この件について、ザ・ヒルの記事をご紹介します。


《引用記事 ザ・ヒル 2021/11/16 》

米コネチカット州の判事は、「Infowars」の主催者で陰謀論者のアレックス・ジョーンズ氏が、サンディフック事件の犠牲者の遺族が起こした名誉毀損の訴訟で責任があると判決を下した。

ニューヨーク・タイムズ紙が月曜日に報じたところによると、この訴訟の判決は、ジョーンズ氏が裁判所から提出を命じられた財務記録などの書類を提出しなかったため、債務不履行責任を負うとされたいう。

2012年にコネチカット州ニュータウンの小学校で発生した銃乱射事件の犠牲者10名の遺族は、2019年に極右メディア・パーソナリティであるジョーンズ氏を名誉毀損で提訴した。ジョーンズ氏は、20名の子供を含む26名の死者を出したこの事件は、憲法修正第2条への反対を喚起するためにクライシスアクターが演じた「やらせ」であると番組で示唆した。

このコネチカット州の判決は、9月にテキサス州の判事が下した同様の判決に続くもので、ジョーンズ氏が銃乱射事件について主張したことによる損害賠償を求める2つの訴訟で、ジョーンズ氏の責任を認めた。

遺族側は、ジョーンズ氏が銃乱射事件に関するデマで利益を得ていると主張している。

ブリッジポート上級裁判所のバーバラ・ベリス判事は、コネチカット州での訴訟でジョーンズ氏に制裁を与えた際、ジョーンズ氏が放送中に行った銃撃に関する発言を「弁護できない」「良心がない」「犯罪行為の可能性がある」と指摘した。

サンディフック事件の遺族を代表する法律事務所は、月曜日に発表した声明の中で、今回の判決に「感謝」しているが、ジョーンズ氏の活動については「真実を明らかにすることに注目している」と述べている。

また、同弁護士は次のように述べている。

「裁判所が指摘したように、アレックス・ジョーンズと同氏の会社は、自分たちが発信する内容とお金を稼ぐ方法との関係を示す証拠を意図的に隠しています」

「ジョーンズ氏にはあらゆる機会が与えられたが、彼が2年以上にわたって証拠を隠したため、裁判所は今日のような判決を下す以外に選択肢がありませんでした。今日の判決は法的には勝利ですが、ジョーンズ氏がどれほど深く家族を傷つけたかを明らかにするための戦いは続きます」

テキサス州での判決後、ジョーンズ氏は自身のウェブサイト「Infowars」を通じて声明を発表し、この判決は憲法修正第1条*に壊滅的な打撃を与えるものだとしています。

(訳注* 憲法修正第一条アメリカ合衆国憲法で定められている条項で、国教の樹立を禁止し、宗教の自由な行使を妨げる法律を制定することを禁止した。また、表現の自由、報道の自由、平和的に集会する権利、 請願権を妨げる法律を制定することを禁止している。)

ジョーンズ氏の声明は次のとおり。
「これらの事件では、自由に発言するという基本的な権利が脅かされている」「憲法修正第1条が今日、十字架にかけられたと言っても過言ではない」

両州の訴訟は今後、陪審員に委ねられ、ジョーンズ氏が被害者の家族に支払うべき損害賠償金や弁護士費用を決定することになる、とタイムズ紙は指摘している。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子 翻訳 文)

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