【フランス】ロシアの広告代理店はファイザーのワクチンを中傷する詐欺師に資金提供

By　Mariko Kabashima 2021/06/27

反ワクチンにつながるファイザー製のワクチンについてのデマを、ロシアの広告代理店からSNSのインフルエンサーにかなりの高額で打診されたという報道です。
いくつかの欧米の報道で、ロシア発のワクチンデマが問題になっています。
日本の反ワクチンの動きもロシアからの影響はないのでしょうか？
いつも中国、韓国については何かと激しく追求する人がいますが、ロシアについてはそれほどでもないことに疑問を感じます。
フランスでそうだったのですから、世界中で行われている可能性があると考えて良いのではないでしょうか。

こちらの記事は、フランスのｆranceinfoの記事からご紹介します。

《引用記事ｆranceinfo 2021/06/26》

ロシアにつながる広告代理店から、ファイザー社のワクチンの悪口を言うように打診があったそうです。

この数ヶ月、研究所ではワクチン戦争が繰り広げられています。その裏では、もうひとつの戦い、すなわち偽情報の戦いが行われています。ここ数日、フランスのインフルエンサーたちが、ファイザー社のワクチンを誹謗中傷するよう勧誘されています。この作戦の背後には誰がいるのでしょうか？L’Oeil du 20hが調査を行いました。

Léo Grasset氏は、インフルエンサーです。彼は科学普及のためのビデオを制作し、YouTubeのチャンネルには117万人の登録者がいます。他の人と同様に、彼もFazzeという広告代理店から、「ファイザーのワクチンの死亡率はアストラゼネカの3倍」と主張するよう提案を受けました。

この数字の解釈は、ワクチン接種と死亡との関連性が確立されていないと明記しているフランス保健当局から誤解を招くと判断されたものです。”本当に、概要の中でショックだったのは、「このビデオがスポンサー付のものだと言わないで」ということでした。”

透明性の欠如

「かなりの予算」が提示された有料ビデオで、金額を秘密にすることを条件にしていました。Léo Grassetはその申し出を断りました。私が「クライアントが誰なのか知りたい」と言うと、彼は「こんにちは、私たちはパートナーと話しましたが、クライアントは知られたくないと言っています」と答えました。そうだったのか！。

クライアントの名前を明かさない広告代理店は？Fazzeはウェブサイト上で、ブロガーと広告主を仲介する役割を担っています。ページの一番下には、昨日削除された行でロンドンの住所が書かれていました。しかし、今日、そのサイト上の外観にもメールボックスにも、このエージェンシーの痕跡はありませんでした。

ロシアの影響力？

この代理店は、モスクワに拠点を置く広告代理店、アドナウの子会社です。目立たないカメラを持って、彼らのオフィスに行ってみました。最初は “知らないけど、ここにはないよ！”と言う返事。しかし、建物の前で、2人の社員がアドナウ社の社員であることを確認。「ブロガーと一緒に仕事をする部署があります」

この操作の試みの背後には、ロシアの影響があると見るべきでしょうか？いずれにしても、その主張は、4月にロシアのワクチン「スプートニクV」の公式アカウントで発表されたものとほぼ同じです。「ファイザー社のワクチン接種者の平均死亡数は、アストラゼネカ社のそれよりもはるかに多い。」

ロシアの研究所に問い合わせたところ、一切の責任を否定しています。しかし、地政学者でフランス国際関係研究所（Ifri）の研究者であるジュリアン・ノセッティ氏は、この作戦は親クレムリンの攻勢の特徴であると指摘しています。「ロシアのソフトパワーに関する言説は、ロシアのポジティブなイメージを強調することよりも、西側諸国がやっていることを脱力させ、委縮させることを目的としています。これは古典的な手法で、私たちはそれを一貫して観察してきましたが、今回のワクチン事件は、この構造に新たなレンガを加えることになります」。

今朝、オリビエ・ヴェラン保健大臣は、「お粗末な、危険で無責任なコミュニケーションプラン」を非難しました。