【米国:オピニオン】オリンピックを救う方法

By Mariko Kabashima 2021/05/31

東京オリンピックについての海外メディアの論調をみると、その殆どが開催は無謀であり、IOCが無責任だという意見が多いです。
その中で ウォールストリート・ジャーナルの論説で、オリンピックでは米国は日本をもっと支援するべきだという意見がでました。
これは、オリンピック開催について否定的な意見が多い中、珍しい論調です。
このままオリンピック開催となるなら、この論説は日本にとって非常にありがたい論調だと思います。
もし、この夏での東京オリンピック開催が避けられないのだったら、世界中の国が協力しあい、危機での成功をみせつけることこそ日本の底力をアピールすることになる好機とするべきだろうと思いました。
果たして、日本はこういうPRの仕方を考えて行動しているのでしょうか。
こちらの記事は、ウォールストリートジャーナルからご紹介します。


《引用記事 ウォールストリートジャーナル 2021/05/27》

オリンピックを救う方法

日本政府の決定だが、米国政府はもっと手助けできる。

東京オリンピックは7月23日に開幕するが、COVID-19をめぐって中止や延期にならなければならない。それは日本の決定だが、米国は同盟国を助けるためにもっとできることがある。

月曜日、国務省の旅行勧告は日本でのCOVID-19の事例をあげ、アメリカ人にこの国への旅行を避けるよう強く求めた。実質的な効果はないが、五輪を控え、数万人の選手団や選手団を日本に迎え入れ始めている中、間違ったメッセージを送ったことになる。

東京都など日本のいくつかの県は緊急事態にあり、一部の病院は深刻な緊張状態にある。しかし、1億2500万の国は、13,000未満のCOVID-19の死を被っています。先週、日本は1日平均109人が死亡し、5,000人近くが新たに感染したと報告した。

日本はアメリカやヨーロッパに比べてパンデミックの期間は順調だったが、ワクチン接種では遅れをとっている。日本では65歳以上の人口の割合が29%を超えている。少なくとも1回のワクチン接種を受けたのはわずか5.2%であり、5月24日時点で2回目のワクチン接種も完了しているのは、2.3%だった。

多くの日本人は、今すぐオープンにすればCOVID-19の変種がさらに流入されるのではないかと心配している。朝日新聞の今月の調査によると、日本人の約83%が五輪を中止するか延期したいと考えている。支持率が30%をわずかに上回るまで落ち込んだ日本の菅義偉首相は、7月末までにオリンピックを開催し、日本の高齢者人口に予防接種を行うと明言している。

「バイデン大統領は、安全で確実な今夏のオリンピック・パラリンピックを開催するという菅総理の努力を支持する」 と、4月に発表された共同声明で述べられた。もしバイデン大統領が本気ならば、この渡航勧告を取り下げることは良いスタートになるだろう。しかし、今年インドへの支援が遅れたホワイトハウスも、ワクチンの供給と配布に関して日本に早急に援助を与えるべきだ。

東京を支援することは、それだけで価値のあることである。しかし、来年、中国では北京で冬季オリンピックが開催されることを忘れてはならない。権威主義国家は、自分たちの政治モデルをアピールするためにオリンピックを利用しており、東京オリンピックの失敗は北京にとってプロパガンダの大成功となるだろう。

昨年の延期は、世界がまだCOVID-19について学んでいて、ワクチンが何ヶ月も先のことだったので、残念ながら避けられなかった。オリンピックを今開催することは、1年以上の封鎖の後、世界が再び動いているという重要なメッセージを送ることになるだろう。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子 翻訳・文)

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