【米国】冨田駐米大使:日本と米国の友好関係は揺るがない

Post by Mariko Kabashima 2021/03/13

3月11日に駐米国特命全権大使の冨田浩司氏が米国のThe Hillに寄稿されていたのでその記事をご紹介します。

内容的には、日本と米国の結びつきを改めて強調しているもので、3.11の米国と米国民への感謝の意を伝えたもので素晴らしいです。
しかし、ちょっと気になることがあります。
記事の内容ではなく、この記事が他のThe Hillの記事に比べると格段にシェアされている数が極端に少なく、其の数たったの18です。(3/13 12:00現在)
少しさびしく感じますが、これが米国の人たちの日本についての関心の度合いだろうと思います。

この記事に対するコメントは、「ありがとう、大使!」「アメリカがかつての敵と強力な同盟関係を結んだことは驚くべきこと。米国の外交がいかに優れているか。ぜひ一度日本に行ってみてほしい」、「我々も日本が大好きです」という好意的なものもあれば、「南京大虐殺、慰安婦のことを考えると、自然被害があったからといって同情するな」的なものもあります。
しかし、私が驚いたのは、「バイデンは中国や日本に10億ドル以下の資金を提供するだろう」という共和党支持者のコメントです。
これは、一部の米国人にとっては、日本も中国も同じように見る人がいるということですね。

こういうコメントを見ていると、世界からみると少数民族の日本だなあと改めて思います。
だからこそ、冨田大使のような地道な発信こそが大切だと感じました。

※ この記事の翻訳したものです。日本語発信のものとは言い回し等が違う場合もありますのでご了承ください。


《引用記事 The Hill 2021/03/11

3月11日は、日本の東北地方を襲った記録的な大地震と津波から10年目にあたります。

2万人近い死者・行方不明者を出し、50万人近い人々が避難を余儀なくされたこの災害。日本国民がこの歴史的な出来事を振り返るとき、私はアメリカの友人たちから寄せられた援助と支援に深い感謝の念を思い起こします。

地震と津波の日、私は北米局の副局長として東京で仕事をしていました。机の上に大切に置いていたものが動いたり落ちたりするのを見ました。周りを見渡すと、周囲の人々の顔には不安な表情をしていました。被害の大きさを知るにつれ、また、海岸の高度な防御を圧倒する高さ100フィートを超える津波の恐ろしい映像を見るにつれ、その感情は大きくなりました。すぐに東京の米国カウンターパートとの連携を開始し、日米の友情の強さを肌で感じることができました。

その後、数週間から数カ月の間に、米国の同盟国から数え切れないほどの友情と支援が寄せられたのを目の当たりにし、感動しました。日本政府と協力して、米軍は直ちに「トモダチ作戦」を開始し、約24,000人の米軍関係者、189機の航空機、24隻の海軍艦艇が集結して救援活動を行いました。日本国際交流センターによると、米国では地震と津波の発生から5年間で、数千の団体を通じて少なくとも7億4610万ドルの寄付が行われました。

同年8月、私はバイデン副大統領(当時)に同行して被災地を訪れ、名取市の仮設住宅で住民一人ひとりに握手やハグをするバイデン副大統領の姿を目の当たりにし、その温かさに感動しました。この訪問での私のお気に入りの写真は、バイデンが当時まだ7歳だったユアという少女と心を通わせているところです。彼女は今、高校生になり、将来への希望に満ちています。これも、多くのアメリカ人の親切のおかげです。

米国の対応がこれほど意味のあるユニークなものとなったのは、日米同盟と日米間の幅広い人的交流によって米国の基盤が築かれたものだからです。その基盤はさらに強くなり、その上に築かれた私たちの友情は揺るぎないものです。日本と米国は、自由、民主主義、基本的人権、法の支配という価値観を共有しています。気候変動やCOVID-19対策など、国際社会が直面する共通の課題についても協力して取り組んでいます。とりわけ日米同盟の強さと安定性のおかげで、地域・国際問題の解決に向けて緊密に協力しています。菅総理とバイデン大統領は、同盟関係を一層強化していく考えです。

3月11日に発生した地震と津波に対する米国の対応は、米国が日本にとって最高で最も信頼できる友人であることを改めて明確にしました。同様に、米国とのパートナーシップに対する日本の継続的なコミットメントは、日本が、ひいては米国にとっての最高で最も信頼できる友人であることを日々再確認させてくれます。春になり、ワシントンD.C.のタイダルベイスン周辺で、1912年に日本から贈られた桜の木が再び開花しているのを見るのが楽しみです。この桜の祭典は、私たちの草の根レベルでの永続的な友情と、重要なパートナーとしての共通の価値観を証明するものです。

冨田浩二氏は、駐米日本大使です。韓国、イスラエル大使を歴任し、1981年からは在ワシントン日本大使館次長など外務省幹部を歴任。

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