【中国】台湾と南シナ海で緊張が高まる中、中国は軍事予算を増強

台湾と南シナ海で緊張が高まる中、中国は軍事予算を増強するだろうという見方です。
こちらは英国のエクスプレスUKからの記事の紹介です。

《引用記事　エクスプレスUK　 2021/02/28》

中国政府がコロナウイルスのパンデミックからの回復を続けていることから、米国やインド太平洋地域との緊張が高まる中、中国政府は来週、防衛費の大幅な増額を明らかにするとみられている。

中国と米国の安全保障専門家は、今年の防衛予算を水増しするよう中国政府に情報を提供した。昨年、中国政府は国防支出を6.6%、つまり1780億ドル増やしたが、これは過去30年間で最低の増加率だった。

上海政治法学大学のNi Lexiong元教授は、中国は安全保障上の脅威から自国を守るために動いていると述べた。

「中国は朝鮮戦争以来最も厳しい安全保障状況に直面している。」とLexiong氏

さらに、台湾への武器売却、中国沿岸での米空母の定期的な配備、南シナ海でのフランスの軍艦や原子力潜水艦の存在などにより、国防費が大幅に増加すると予測した。

さらに次のように付け加えた。
 「世論を見ても、台湾を軍事的に取り戻すことが急務になっています」

「だからこそ、予算が確実に急激に増加する理由があります」

オーストラリアの元国防当局者で、ワシントンに本部を置く戦略予算評価センターの非常駐特別研究員、ロス・バベッジ氏は、ロイター通信に対し、3月5日には中国政府の歳出が7%増加するとの見通しを示した。

「それは一部の人々が予想していたよりも少なく、その理由は中国経済がまだ好調ではないからです」とバペッジ氏。

中国はコロナウイルスの大流行のために昨年一年間で縮小しなかった唯一の主要経済国であるが、2.3％の成長にとどまっている。

ロイター通信の世論調査によると、中国経済は今年8.4％の成長が見込まれている。

ドナルド・トランプ政権下の2019年、米国は国内総生産 (GDP) の約3.4%にあたる7320億ドルを軍事費に費やした。

木曜日に駆逐艦USSカーティス・ウィルバー率いる米第7艦隊が「台湾海峡定期航路」を実施したことを受けてのことである。

人民解放軍 (PLA) 東部戦域司令部の報道官によると、 「米海軍の駆逐艦カーティス・ウィルバーは、台湾海峡を通過する際に中国軍に追跡された」という。

同報道官は米国への警告の中で次のように述べている。
 「この動きは台湾海峡に人為的に危険要因を作り出し、地域の平和と安定を意図的に損なっている」

「交戦地帯の軍隊は常に高い警戒態勢にあり、あらゆる脅威と挑発に対応する準備ができている」

これはまた、ジョー・バイデン米大統領が初の外交政策演説で中国をアメリカの「最も深刻な競争相手」と呼んだことに続くものだ。

同大統領は2月5日、「我々は中国の経済的虐待に立ち向かい、中国の人権、知的財産、グローバル・ガバナンスに対する攻撃的な行動に反撃する」と述べた。

大統領として初めて中国の習近平国家主席と電話で会談した後のホワイトハウスの報道声明は2月10日にも次のように述べている。

「バイデン大統領は、米国民の安全、繁栄、健康、生活様式を保護し、自由で開かれたインド太平洋地域を維持することを優先課題としていることを確認しました。」

「バイデン大統領は、中国政府の強制的で不公正な経済慣行、香港での弾圧、新疆での人権侵害、そして台湾を含むこの地域でのますます強硬な行動に対する基本的な懸念を強調ました。」

中国の国営メディア、チャイナ・デイリーは、バイデン氏の対中政策は「トランピズムのように聞こえる」と主張した。

同メディアは次のように書いている。

「バイデン大統領が就任して間もない頃に行ってきた中米関係の取り扱いに関しては、楽観的な考えはほとんどない」

「バイデン大統領は、旧正月に中国国民に新年の挨拶を述べ、気候変動や核拡散などの問題で中国と協力すると約束したが、貿易、台湾、南シナ海などで直接対決するなど、多くの政策が前任者の政策と大きく異なるものではないようだ。(…)」

「このような扇動的な発言は、前政権と同様、中国の利益を米国の損失とみるゼロサム的な考え方が中心となっている。」