【米国】ペンス:共和党議員の選挙結果覆しの提案を却下するよう判事に要求

1月6日にペンス副大統が、上下両院合同会議でそれぞれの州の選挙人による投票結果の証明書を確認することになっています。 これは、極めて儀礼的なものですが、ここで議員から異議がなければ、次の大統領および副大統領が正式に決定することになります。

そのため、トランプ支持の共和党員から、1887年から続く極めて儀式的な選挙カウント法を違憲だとし、ペンス氏にバイデンが勝った州の票を認めない権限を与えろという訴訟を起こしていました。 この訴訟について、ペンス弁護団がこの案を却下するように要求しました。

この記事は、ザ・ヒルからご紹介します。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)


 

《引用記事 ザ・ヒル 2020/12/31

31日木曜日、ペンス副大統領は、連邦裁判官に、ペンスの権限を拡大し、ジョー・バイデン次期大統領の選挙での勝利を覆すことを事実上可能にするような方法でペンスの権限を拡大させるという、ルイ・ゴーマート下院議員(R-Texas)と他の共和党員による訴えを却下するよう訴えた。

今週初めに提出されたこの訴訟は、州の選挙人票を数え、トランプ大統領に対するバイデン氏の勝利を確定するために、来る1月6日の議会でのペンスの役割を拡大しようとしている。

しかし、ペンス氏は木曜日、トランプ氏の指名を受け任命されたジェレミー・カーノドル連邦地裁判事に提出した書面で、ペンスはこの訴訟の適切な被告ではないと述べた。

「副大統領に対して提出された、投票結果に関する裁量権が副大統領にあることを立証するための訴訟は、法的矛盾がある」と、ペンス氏の代理人を務める司法省の弁護士は提出書類に記している。

通常、1月6日の会議を主宰する副大統領の役割は、選挙カウント法 (Electoral Count Act) として知られる1887年の連邦法によって管理される、儀式的なものである。

しかし、共和党の訴訟は、州レベルの選挙結果が争われている場合に、対立候補の勝利を選ぶ選択する副大統領の権限に対する憲法違反の制約を与えるものとして、この法律の無効化を訴えている。

いくつかの主要な激戦州の共和党員はバイデン氏の勝利に異議を唱え、トランプ支持の選挙人の代替「スレート」を1月6日に数えるよう提案したが、専門家はこれらの取り組みに法的な重要性はないと言う。

ペンスが副大統領を標的にした訴訟の背景には、大統領の支持者、さらには大統領自身からも、通常の選挙手順に異議を唱えるために自らの制定法上の役割を行使するよう圧力が高まっていることがある。

ホワイトハウスはザ・ヒルから連絡を受けたが、コメントはなかった。

この訴訟の原告には、アリゾナ州共和党の議長で、同州上院議員を務めたケリ・ウォード氏も含まれている。ウォード氏は、2020年の大統領選は広範囲にわたる不正行為に汚染されていたとするトランプ氏らの主張と同様の、根拠のない主張を繰り返している。

ウォードは、アリゾナ州でのバイデンの勝利を覆すための先の敗訴した訴訟にも関与していた。

選挙法の専門家でオハイオ州立大学の法律学教授であるエドワード・フォーリー氏は、ペンス氏の姿勢は訴訟に対する 「明快で合法的な対応」 に相当すると述べた。

「主な論点は、原告は副大統領ではなく上院と下院を提訴すべきであったと主張することであるが、同時に、上下両院を相手取った訴訟が手続き的にも失敗するという、原告側の立証資格がないなどの理由も示唆している。」とフォーリー氏は述べた。

【参考資料】

The Electoral College: How It Works in Contemporary Presidential Elections

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