【レバノン:専門家分析】長年にわたり盗まれていた可能性:全量爆破だとベイルートは 「消滅」していたはず

ベイルートの爆発について、ロシアの軍事専門家が、大統領が述べていた化学物質の量が全量ではない可能性を指摘しています。つまり、6年間にわたり、かなりの量が盗まれていただろうと指摘しました。
この指摘が事実だとしたら、レバノンの政治家たちが、いかに腐敗した国なのか推測できます。
こちらは、アル・アラビアニュースからご紹介します。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子 )


アル・アラビアニュース 2020/08/09

ロシアの軍事専門家ビクトル・ムラホフスキー氏は、死者を出したベイルートの爆発の原因となった硝酸アンモニウムの量は、当初の備蓄量よりもはるかに少なかったに違いないとし、さもなければレバノンの首都は 「消滅していただろう」 と述べた。

ベイルートの爆発は、少なくとも158人の命を奪い、6万人が負傷した。その破壊力は非常に激しく、石組みを粉砕し、窓を粉々にし、アパートの家具を通りに吸い上げ、災害に見舞われたベイルートの30万人近くの人々の家が失われたと、レバノンの当局者は述べている。

レバノンのミシェル・オウン大統領は、肥料や爆発物に使われる工業用化学薬品の硝酸アンモニウム2,750トンの貯蔵が原因で、2013年以来安全対策もとらずに港に貯蔵されていたため、火災の原因となったと述べていた。

しかし、ムラホフスキー氏は、レバノン当局者が発表した全量が爆発した場合、ベイルートを地図から消滅していただろうと述べた。

軍事専門家はロシア紙コムソモルスカヤ・プラウダのインタビューで、このような備蓄品から大量のものが長年にわたって盗まれた可能性の方がはるかに高いと付け加えた。

同氏は「6年前に押収した2,700トンは軍事目標に使われていた。」とツイートし、爆発は「不足している量から注意をそらす」試みだった可能性を示唆した。

チディアック紙はまた、ムラホフスキー氏の分析を引用している。

「ロシアの専門家ビクター・ムラホフスキー氏は、硝酸アンモニウムのほとんどは確かに6年間に渡って盗まれたものであり、爆発の結果、硝酸アンモニウムの量は300トンを超えていなかったようです。」

ベイルートを拠点とするこのジャーナリストは、爆発の数日前に港にあった硝酸アンモニウムの袋だという写真のディマ・サディクのツイッター投稿をシェアした。

「これが硝酸アンモニウムの保管状況です 。ディマ・サディク(@DimaSadek)さんが言うように “これが死の袋の積み方 “です 。これは、世界のどこでも最低基準を満たしているとは思えない。」

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