『YouTubeのシステムに手動で入力」すれば、特定のニュースが話題になる―プロジェクト・ヴェリタス(動画あり)

ヴェリタスといえば、「視聴率が上がるからトランプを叩く」というCNNプロデュサーの発言を暴露した潜入動画が話題になりました。今回は、「YouTubeの順位は、YouTubeによって手動で操作することができる」という内容の記事がロシア・トゥディ(RT)にでてましたので紹介します。ロシア・トゥディは、モスクワを本拠地にした欧州最大の地域視聴者を持つ世界的なニュースチャンネルです。

RT 12 Oct, 2017

YouTubeのキュレーション・チームは、プラットフォーム上で話題になっていない動画でも、ウェブサイトを統制するアルゴリズムに「ある種の介入をする」ことで宣伝できる。これにより、特定のニュース組織が恩恵を受けられるようになると、プロジェクト・ヴェリタスが明らかにした。

キュレーションとは・・・インターネット上から集めた情報を整理してリスト化し、公開する作業のこと。

プロジェクト・ヴェリタスの調査グループは、YouTubeのブランド・ダイバーシティ・キュレーションリーダーの、アーネスト・ペティ氏を秘密裏に撮影した。ペティ氏は、「多くのYouTubeのシステムに手動で入力するチーム」で働いているという。このことは、特定のニュースソースからの動画を、検索結果を最上位に上げている可能性があることを意味する。

ペティ氏は、YouTubeのいわゆるニュース・カルーセル表示がどのように作られるかについて、次のように説明した。「検索結果の上に出れば、少なくとも、そのニュースの提携企業からの動画は正規のニュースだと言えます。なぜならば、我々は、検索結果の上に出てくる提携者は正規の報道機関だと我々が分かっているからです。」

カルーセル表示とは・・・PC・スマートフォン等の操作画面で、写真など複数の項目が横に並んでおり、これをマウスやタッチ操作で左右にスライドして項目を入れ替えることができる表示のこと。)

「ユーザーは、我々のシステムが『話題性の高い』トピックであるということがわかるトピックを検索しています。それで、我々にはこういったニュースの提携企業だと分かっているので、話題性が高いと分かっている動画を与えましょう。」
「非常にまれなケースで、話題性のあるタブに入っていないものを、話題性のあるものにしようとすることはあります。」とペティ氏は認めた。「ある種の介入を行います・・・基本的には、それが検索結果の上にくるように。」と彼は語った。

録音の中で、ペティ氏は、ニューヨークタイムズ紙の読者戦略担当編集者である、ニック・デュディッヒ氏について、「自分が思うに、恐らく自分が知る誰よりも、プラットフォームとしてのYouTubeの知識がある人たちの1人です。」と語る。

プロジェクト・ヴェリタスのメンバーとの会話の中で、デュディッヒ氏は、シリコンバレーの友人関係を利用して動画を話題にしたことを自慢しつつ、フェイスブックについての否定的な記事を、あまり注目されないような場所に配置したと語った。

「実際、フェイスブックに否定的な動画を扱いましたが、あまりうまくいかなさそうなところに置くことに決めました。」と、デュディッヒ氏は秘密裏に撮影された会話の中で語った。

プロジェクト・ヴェリタスによると、デュディッヒ氏は、自分との関係をニューヨークタイムズ紙には知られたくないとしつつ、シリコンバレーの友人が同紙の動画が話題になるよう手を貸したと自慢した。

「たとえば、YouTubeのトップページに何かが出ることになって、それがニューヨークタイムズをかなり動揺させるようなものだったとしましょう。でも、私の友達がトップページをキュレートしているから、知られないのです。だからそれは、どの仕事でも自分のやっていることが実際よりもっと大変に見えるようにするのに必要な、ちょっとした謎みたいなものなんです。と、デュディッヒ氏は録画の中で語っている。

水曜に公開された動画は、「アメリカン・プラウダ」と呼ばれるプロジェクト・ヴェリタスの最新シリーズで、米国の主流メディアを狙ったものである。今回火曜日に公開されたシリーズも、デュディッヒ氏の動画を特集しており、その中で彼は、トランプ氏の「脅威」に対抗するため、ヒラリー・クリントン氏の大統領選挙キャンペーンで働いたと主張した。また「客観的であるために」、自身はニューヨークタイムズ紙には協力しなかったと主張している。

デュディッヒ氏の主張の信ぴょう性を評価することは不可能だが、FBI前長官ジェームズ・コミー氏が彼の代父であり、 彼はそのFBIに代わってアンティファの活動に参加していたと主張している。

プロジェクト・ヴェリタスがデュディッヒ氏の父親を取材し、コミーという名前すら知らないと父親が語った後、デュディッヒ氏は、これが真実でないことを認めた。なぜ嘘をついたかを問われると、デュディッヒ氏は、これは「うまくできた話」だと語った。

火曜の動画に対し、ニューヨークタイムズ紙の広報担当者、ダニエル・ローデス・ハ氏は、デュディッヒ氏について、「最近雇用された若手社員」であり、「(新聞社の)倫理規範を犯し、自身の役割を不正確に伝えた」ようであると語った。

「本紙において、彼はすでに公開されている動画を、他のプラットフォームへ投稿する仕事をしており、タイムズの動画制作や編集には全く関わっていませんでした。現在、状況を確認中です」とローデス・ハ氏は語った。

2010年にプロジェクト・ヴェリタスを創始した、ジェームズ・オキーフは、多数の論争を呼んだ潜入調査動画を公開してきた。その中には、今夏のCNNの政治コメンテーター、ヴァン・ジョーンズ氏のものもあり、ジョーンズ氏は、オキーフ氏が文脈を無視して言葉を抜き出し、「でたらめ」を作り上げるような動画編集をしていることを非難している。

ジョーンズ氏が、2016年大統領選でのロシアの干渉疑惑の調査は、「大きいが、何も入っていないハンバーガーだ」と語っている様子が、ヴェリタスの動画に録画されている。ジョーンズ氏は、民主党は、たとえその疑惑が真実であったとしても、それをトランプ氏の弾劾に使うことはできないと言ったことが、動画で失われていた文脈であると語っている。
(翻訳 M・J)

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