【米国】トランプ大統領、金正恩氏に会談再開を要請か

米ニュースサイトのアクシオスとのインタビューによると、ホワイトハウスの国家安全保障問題担当大統領補佐官ロバート・オブライエン氏が、トランプ政権は「北朝鮮の人々に手を差し伸べ」、十月以来ほとんど死に絶えている外交を再開するよう求めるべきだと語ったとのこと。
この記事の内容の要旨はつぎの通りです。

<引用記事 アクシオス 2020/01/12


【このニュースの経過】
金曜日にオブライエン氏は、アイゼンハワー行政府ビルでアクシオスの記者と面会し、新年の始まりにおける国家安全保障の課題について話した。

・北朝鮮との緊張した危険な状況について。
「我々は北朝鮮の人々に連絡を取り、10月初めに最後に行われたストックホルムでの交渉を継続したいと伝えた。」

・「我々はさまざまなルートを通じて彼らに知らせてきた。[交渉]を軌道に戻し、金正日委員長のコミットメントである 『朝鮮半島の非核化』を実現していきたいと考えている。」

・さらに金正恩氏が約束した「クリスマスプレゼント」をまだ実現していないことについて、慎重ながらも楽観的であることを示唆した。

―ちなみに、そのことについて多くのアナリストは、核実験になると予想していた。


【アクシオスによる行間の読みとりは次のとおり】

トランプ大統領は、北朝鮮の残忍な独裁者との温かい個人的関係を再び頼りにしようとしているようだ。
次のことからそのことが垣間見える。

・トランプ大統領は最近、金正恩に誕生日メッセージを送った。しかし、北朝鮮はすでに、トランプ氏の求愛によって政策が変わることはないと述べている。

・北朝鮮の核弾頭の供給を追跡しているアナリストによると、これまでのところトランプの外交は、金総書記に核兵器保有を拡大する時間を与える以外にほとんど成果を挙げていない。

・米国家安全保障問題担当大統領補佐官オブライエンの前任者のジョン・ボルトンは先頃、アクシオスに対し、トランプ政権は北朝鮮の核開発の野望を阻止するために虚勢を張っており、その政策が失敗に終わったことを公に認める準備をすべきだと語った。


オブライエン氏は、これまでのところ、クリスマスと新年の時期に核実験を行わないという金総書記の決断の影響について希望を抱いていることを示唆した。

・「クリスマスプレゼントを送る約束をした」、「大統領は彼に花瓶を送ってはどうかと提案した。我々は花瓶やその他のクリスマスプレゼントをもらってない。そのこととはポジテイブに見える。」

・「我々が知っていることは、クリスマスプレゼントをもらうと言われたのに、クリスマスプレゼントが来なかったことだけ。これは励みになる兆候だったと思います。しかしこれも将来何らかの実験がないという意味ではない」と付け加えた。


大局的には、オブライエン氏は就任4カ月の間に、北朝鮮からの新たな脅威、イランのカセム・ソレイマニ将軍の殺害、イランとの危機的状況、イスラム国の指導者アブ・バクル・バグダディ氏の殺害、そしてトランプ大統領によるトルコ・シリア国境からの米軍撤退 (その過程で米国のクルド人同盟国を見捨てること) などを経験してきた。

・この短い激動の間にオブライエンはトランプとの親密な関係を築いてきた。国務省で人質交渉を指揮していたときのことである。


オブライエン氏は中国を「米国に対する最大の地政学的挑戦である。」と名指しした。そして、米国にとっての「最大の脅威」は、トランプ政権の国防戦略に沿った「同格の競争相手である」中国とロシアであると述べた。

「米国は、中国のような同格の競争相手に直面したことはない。」とオブライエン氏。「中国の人口、政治システム、経済にのいて…と、世界貿易と世界経済を支配するためのそのグローバルな野心と明確な目標のために、中国は非常に深刻に受け入れられなければならない。」

「我が国は、中国[中華人民共和国]を含め、誰も我が国に軍事的に挑戦することができないように、十分に強くならなければならない。」

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

 

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