米国の求職者は、今やロボットが自分の履歴書をゴミ箱に放り込むではと不安の日々

この記事では、マーケットウォッチのアメリカの雇用と自動化について分析した記事を紹介します。マーク・ザッカーバーグとビル・ゲイツは、自動化について警鐘を鳴らしています。日本社会ではいかがでしょうか?
post 2017/10/08 8:38

Market Watch   By  Oct 7, 2017

懸念される労働者は、自動化という未来への転換点に到達しているのかもしれない。

マーク・ザッカーバーグとビル・ゲイツは、自動化について警鐘を鳴らしている。そして、アメリカの国民は、耳を傾けているようだ。

米国が、2010年以来初めての月間雇用の減少に見舞われたことに伴い、経済の先行き、そして自分たちの境遇に対し、消えることのない不安を抱えている。

ワシントンDCのシンクタンク、ピュー研究所が水曜に発表した4,100人を超えるアメリカ人への新しい調査によると、大多数のアメリカ人は、自動化の進歩は、労働力および米国経済の双方に負の影響があると予想している。意外かもしれないが、約67パーセントは、就職希望者を評価し選択するアルゴリズムについて、大いに歓迎している(22パーセント)より、むしろ懸念している。しかし、無人自動車(54パーセントが懸念を示す)およびロボット介護者(47パーセントが懸念を示す)に関しては、より楽観的である。

下記の調査結果は、労働者が自動化を恐れていることを示唆している。

• 72パーセントのアメリカ人は、ロボットが人間の仕事に取って代わることを懸念しており、大いに歓迎するという人(33パーセント)の2倍以上を占める。

• 77パーセントの人は、ロボットやコンピューターが、現在人間がしている多くの仕事を、いつかできるようになりうることについて、現実的であると考えている。

• しかし、生涯の間に、自分の仕事や職業が、ロボットまたはコンピューターによって実行される可能性がある、または、「非常に、または多少ありえる」と考えているのは、わずか30パーセントしかいない。

『国民は、機械が人間の責任と意思決定を取って代わるようになることを、非常に警戒している。最先端の技術でも、真に人間の創造性や洞察力を正確に複製することは、決してできないと懸念している。』(ピュー研究所の研究副所長、アーロン・スミス)

「国民は、機械が人間の責任と意思決定を取って代わるようになることを、非常に警戒している。」
「国民は、自動化へ傾向の発展から多少の恩恵は期待しているが、最先端の技術でも、正確に人間の創造性や洞察力を複製することは、決してできないことを懸念している。また、自動化技術の及ぶ範囲を制限し、人間がプロセスをより完全に制御する方針を強く支持している。」
と、ピュー研究所の研究副所長である筆頭著者のアーロン・スミス氏は、報告書で述べている。

アメリカ人が懸念することに、本当に根拠があるのだろうか?

アメリカ人は、自動化が低賃金労働者を救うというよりは、むしろ不平等を悪化させると恐れている。ピュー研究所が調査対象者の約76パーセントが、現在人間が行っている仕事の多くを、ロボットやコンピューターが遂行できるようになれば、経済的格差が「非常に悪化する」と予想している。また、その状況が現実的になれば、経済活動が人間にとって、より給料が高く、新たな沢山の仕事を生み出すと考えているのは、回答者の4分の1にとどまった。さらに、64パーセントが、進化したロボットやコンピューターと競うことを強いられれば、人は人生でやるべき仕事を探すのが困難になると予想している。

アメリカ人は、自動化が低賃金労働者を救うというよりは、むしろ不平等を悪化させると恐れている。ピュー研究所が調査したうち約76パーセントが、仕事の多くをロボットが取って代われば、経済的な不平等は「非常に悪化する」と予想している。

ノースウェスタン大学の研究者が行った最近の研究によれば、自動化によって、2027年までに2,500万の仕事が削減されると予想されており、サービスおよび製造業に影響を及ぼしているという。「現在の米国税制の変更がなければ、自動化コストの大幅な減少は、所得格差の大幅な増加につながると、我々の分析は示している。」と述べている。「所得格差は、限界税率を上げ、ロボットに課税することで縮小させることができることが分かった。」プラス面では、ロボットは1,500万人の雇用を創出するとも予測されていることを、フォレスターリサーチは発見した。

誰が自動化で最も影響を受けるのだろうか?

ワシントンDCを拠点とする非営利の公共政策団体、ブルッキングス研究所が8月に発表したデータによると、産業ロボットが最も多く集中しているのは、米国の中西部およびアッパーサウスである。中西部および南部の10州では、ミシガン(28,000体のロボットで、総数の12パーセントにあたる)、オハイオ(20,400体、8.7パーセント)、およびインディアナ(19,400体、8.3パーセント)を筆頭に、国の半分を超える233,305体の産業用ロボットが、溶接、自動車の塗装、製品の組み立て、材料の取り扱い、あるいは物の梱包を行っている。西部全域では、国の産業ロボットの実に13パーセントを占めている。

以下のとおり、収入が高い仕事になるほど、自動化に取って代わられる可能性が低くなる。83パーセントの可能性で、自動化が時給20ドル以下の仕事に取って代わると、昨年発表されたホワイトハウスの報告書は結論付けている。時給30ドルから40ドルの仕事では、31パーセントに落ちる可能性がある。また、時給40ドル以上の仕事では、わずか4パーセントだけ落ちる可能性である。しかし、大工、配管工、電気工などの、多くの伝統的な肉体労働の仕事は取って代わられにくいであろう。作曲家、芸術家、医療従事者、在宅医療者、高齢者介護専門家、保育士、技術者、教師、そして人事幹部職は、少なくとも今のところは、影響を受ける可能性が低い。

(翻訳者 やぶへび)

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