【英国:全文翻訳】国防幕僚長(CDS)ニック・カーター将軍の年次RUSI演説

また、将来の戦闘航空技術イニシアティブであるチーム・テンペストも同様です。これは、タイフーンに代わる買収プログラムというよりも、技術提携です。また、2019年末までに1,800人以上の雇用を支え、全国で約120の下請けを支えてきた先進技術企業への産業界からの追加投資と同様に、これまでに生み出されてきた勢いを見ることはわくわくさせるものです。そして、現在、スウェーデンとイタリアが参加しているのを見るのは特に良いことです。

このような関係を実現するためには、供給者とリスクと機会を共有する新たな成果重視型の調達アプローチを採用すること、協力的な開発を可能にすること、そして破壊的な技術的機会をとらえるために必要な機敏性と適応性を構築するイノベーションを奨励することです。そして、私は強調したいのですが、最先端での即応性のある商業機能が必要です。我が国は、プログラムリスクに対する保険として過度な仕様を使用するプロセスのぜいたくは許されず、コストを削減しなければなりません。

この種の関係は、産業界とのより開かれた、透明性のある双方向の対話に基づくものでなければならず、国の防衛に関しては、我々全員が一歩踏み出す必要があることを認識することです。

私は、防衛見直しのための重要なインプットとして、防衛産業戦略の適切な検討を含めることを提案します。これは、国家安全保障を支えるとともに、投資と繁栄を促進する競争力のある、革新的な、世界に通用する防衛・安全保障産業を確保するために、どのように戦略的アプローチを強化できるかを見極めるために、防衛・安全保障分野全体に目を向けるものであります。

研究開発もこの点に特徴を持たなければなりません。我々は、もはやすべてを誰も自前でやっていないということを認識して、オープンで外向きのイノベーションを受け入れなければなりません。我々は学問的で企業家的な生態系を確立しなければなりません。我々は、技術スカウトを活用して研究開発を強化し、適切なパートナーとの戦略的提携を確立しようとしている大学、研究センター、新興企業、および確立された企業を訪問し、根気よく足を使う必要があります。

さて、これらはすべて、人間の能力、つまり我が国の適応力に関係しています。テクノロジー、進化する労働力のスキルをめぐる競争、そして領域間、領域内での統合の継続的な必要性は、我々の全ての才能の可能性を最大限に引き出す新しいアプローチを必要とします。ゼネラリストとスペシャリストのバランスは、スペシャリストのキャリアの流れにますます傾くでしょう。

我々は、必要に応じて、英国軍と民間人の間に融合された統合的なキャリア構造を確立しています。これを 「統合型キャリアマネジメント」 と呼んでいますが、その第一弾として、サイバーを基盤とした融合型キャリアフィールドが来年からスタートします。それは、明確に理解された技能の枠組みに基づくものであり、その上で、我々は、集団的利益のために才能が最大化されるためのより大きな機会を提供するために、企業ベースでの民間部門との横断的な移動及び参入を一層奨励いたします。
これをすぐに試行し、主要な業界サプライヤとの共通の人事管理モデルの確立を目指します。明確に理解されたスキルのフレームワークに基づいて、2020年はFuture Reserves2020 (いわゆるFR20)への門出です。そしてFR30の見直しは、FR20が築いた非常に成功した基盤の上に構築されるとともに、より広範な市民社会を対象とした企業アプローチというこのアイデアを追求することが適切です。

結論として、人類が世界戦争以外で経験してきたよりも、より広範で、急速で、深遠な、驚くべき変化の時代にいると言えます。そして、それは前世紀の2つの世界大戦を合わせたよりも持続的であり、今なお増加し続けている。私たちの基本的かつ長期的な前提は、日々崩れています。近代化は、我々をこれまでのところに導くだけです。必要なのは、我が国の戦い方の段階的な変化です。ビジネスを運営する上で、どのようにして私たちの才能を、どのようにして我々の装置を入手し、我々がどのようにサポートを提供するかということです。第四次産業革命に突入した今、それは、我々の先人たちが船出から船出へと向かっていたのと同じ挑戦でありチャンスなのです。

このような規模の変化は、上の世代から導かれなければならないが、同様に、このペースでの変化もまた、我が国の非凡な若い男女によって下の世代から導かれなければなりません。彼らはデジタル技術で育ち、彼らの指導者よりもはるかに近代世界に慣れています。

したがって、彼らの可能性を解き放つために彼らを力づけることが重要です。しかし、このような規模と幅の変化を単独で実現することはできません。それは国家的な事業の一部である必要があります。そして、リスクに対しては、まったく異なるアプローチが必要です。なぜなら、我々は、過ちを犯してそこから学ぶ準備ができていなければ変化しないし、その過程でいくつかの社会通念を打ち砕く準備もできていなければならないからです。

ありがとうございました。

2019年12月5日発行

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

※無断転載厳禁

【GOV.UK 2019/12/05】

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