【米トルコ・ホワイトハウス発表】北東シリア停戦合意

17日、ホワイトハウスが発表した、米ートルコの北東シリア停戦合意の内容をご紹介します。


ホワイトハウス 2019/10/17

北東シリア停戦合意

本日、米国とトルコは、シリア国境地域での1週間にわたる戦闘に終止符を打つ歴史的合意を発表した。

・トルコは即時停戦を実行している。
・両国政府は、宗教的及び民族的少数者を保護することを約束した。
・両国政府は、ISISの戦闘員を拘束するための協力を強化している。
・米国とNATOの長年の同盟国であるトルコとの関係は強化された。

この合意は、この1週間にわたるドナルド・トランプ大統領の率直なリーダーシップと、マイク・ペンス副大統領、マイク・ポンピオ国務長官、ロバート・オブライエン国家安全保障顧問が率いる巧みで献身的な外交官と軍人のチームが支援した結果、アンカラでの交渉が成功した。

トルコは、米国がトルコ支配下の安全地帯からのYPG(クルド人民防衛隊)軍の撤退を容易にするために、攻撃を120時間停止することに同意した。トルコは、YPGの撤退完了後に恒久的な停戦に合意した。米国はすでに安全地帯からのYPG撤退を容易にし始めている。

現政権は、エルドアン大統領が前進し、停戦に合意し、この機会に解決を図ろうとする姿勢を賞賛した。両国政府は,シリア北東部の平和的な安全地帯にコミットしている。

北東シリアに関する米・トルコ共同声明

1.米国とトルコは、NATOの一員としての関係を再確認し、トルコ南部の国境に対するトルコの合法的な安全保障上の懸念を理解する。

2.トルコと米国は、地上の状況、特にシリア北東部の状況が、共通の利益に基づいてより緊密な調整を必要とすることに合意している。

3.トルコと米国は、「一人は皆のために、皆はひとりのために」を強く理解し、あらゆる脅威からNATOの領土と国民を守ることに引き続きコミットしている。

4.両国は、人命、人権及び宗教的・民族的共同体の保護を維持するとの誓約を再確認する。

5.トルコと米国は,シリア北東部におけるISIS/イスラム国活動にコミットしている。これには、必要に応じ、収容施設及び以前ISIS/イスラム国によって管理されていた地域からの国内避難民に関する調整が含まれる。

6.トルコと米国は、テロ対策活動はテロリストとその隠れ家、シェルター、居留地、武器、車両、装備のみを対象としなければならないことで合意している。

7.トルコ側は、トルコ軍により管理されているセーフゾーン(安全地帯)にある全ての人口密集地の住民の安全と福祉を確保するとのコミットメントを表明し、民間人及び民間のインフラに損害を与えないよう最大限の注意を払うことを改めて表明した。

8.両国は,シリアの政治的一体性及び領土の一体性並びに国連安保理(UNSCR)決議第2254号に従ってシリア紛争を終結させることを目的とする国連主導の政治プロセスに対するコミットメントを改めて表明する。

9.両国は、トルコの国家安全保障上の懸念に対処するため、YPG重火器の再回収、それらの施設の無能力化及びその他の全ての戦闘態勢の無能力化を含む安全地帯の継続的な重要性及び機能性について合意した。

10.安全地帯は、主としてトルコ軍によって実施され、両国はその実施のあらゆる側面での協力を強化する。

11.トルコ側は、120時間以内にYPGがセーフゾーンから離脱できるよう、 「オペレーション・ピース・スプリング」 を一時停止する。「オペレーション・ピース・スプリング」 作戦は、この撤退が完了した時点で中止される。

12.「オペレーション・ピース・スプリング」が一時停止された場合、米国は、2019年10月14日付行政命令 「シリア情勢に関与した特定の人物への立ち入り禁止・封鎖」 に基づくさらなる制裁措置を追求しないことに同意するとともに、国連安保理決議(UNSCR)第2254号に従い、シリアの平和と安全を達成するためにとられている進展を強調するため、必要に応じて議会と協議する。
オペレーション・ピース・スプリングが11項に従って停止されると、前述の大統領令に基づく現行の制裁は解除される。

13.両国当事者は、この声明に示されたすべての目標を実施するために協力することを約束する。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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