中国が日本を憎むことを止めることができない理由

ウォールストリートジャーナルに、日本と中国についての記事がでていましたのでご紹介します。
こういう見方をしている専門家がいるということでご覧ください。

By Richard McGregor  Sept. 8, 2017 11:11 a.m. ET

彼らの歴史上の有毒な戦争は、両国の国内政治に巻き込まれてきた。

第二次世界大戦の終結後、東アジアで米国が維持してきた支配的な役割をチェックし、弱体化させる方法を考えている中国の視点に立ってみよう。

中国政府は、既に、海洋で米国に挑むための海軍を強化させ、南シナ海の人工島に軍事基地を設置した。

ドナルド・トランプ大統領が世界各国の同盟国に警戒を呼びかける中、中国はフィリピンのようなアジア近隣諸国を米国から引き離し、新しいシノセントリック(中国中心)・クラブに持ち込んでいる。

しかし、中国政府は、一気にこの地域、さらには世界のアメリカの利益を脅かす可能性のある1つの動きを実際に試みたことは一度もない。:それは、米国との長年の安全保障同盟から日本を分離させることだ。

中国が、日本の安全保障を安心させれば、アジアにおける超大国としての米国の地位は大幅に低下するだろう。

なぜ中国はそれを誘発させようとするのではなく、日本に対し一貫して敵意を発しているのか?

従来の説明では、第二次世界大戦中の日本の侵略と残虐行為、そして 日本がその後の謝罪を拒否しているということに対し、中国が総合的に激怒しており、北京は東京にあえて接触しようとしていないということである。

しかし、この見解は成り立たない。

1945年以降の数十年間、中国は正式な謝罪を求めなかった。

中国は1980年代以降、より強力になった時にのみ態度を変え、過去の犯罪を日本に思い出させる戦略的影響力の源泉を見つけた。

さらに、中国は、日本の戦時中の行為に対する謝罪を要求し始め、日本はそれに対し繰り返し謝罪してきたが、効果はほとんどない。

中国と日本の間の和解の本当の障害は、歴史上の有毒な戦争が両国の国内政治の中で、アジアの2大国としての自然な競争を悪化させていることにある。

1990年代初め、中国共産党は1989年の国内の反政府デモ隊に対する残虐な弾圧の後、中国共産党が信用を再構築しようとし、お決まりの執拗な反日プロパガンダを認めた。

大衆をまとめるため悩んだ政党は、「歴史的な犯罪者(日本)」に対する攻撃を復活させるよりも優れた手段を見いださなかった。

時間の経過とともに、和解を唱える中国の役人は自殺の危険を冒すほど日本に対する政策は非常に敏感になった。

中国政府の有力な日本の専門家でもある王毅外相は、日本語を上手に話すが、個人的な攻撃を受けないようにそうすることを避けている。

中国の外交官や学者は、東京との和解を提唱することの危険性を知っている。

「日本についてのどんな素晴らしい言葉でも、学生から怒りの反応を受けます」と清華大学のChu Shulong氏は述べた。

アメリカについて学ぶことは、それほど困難ではないと彼は付け加えた。

「中国国民は私に同意しないかもしれないが、決してあなたを裏切り者と呼ぶことはない。」

もちろん、中日関係における敏感さは双方向に作用する。

安倍晋三首相を含む日本の保守派は、第二次世界大戦に関して、中国や韓国を怒らせてしまうという歴史修正主義的見解を支持している。
(一部の保守派は、戦時政府は、性的な奴隷状態で「従軍慰安婦」を強制したと不当に非難されたとし、その他1937年の南京虐殺が起きたことを否定している。)

戦争に対する日本の謝罪は、その国が謝罪することは何もなかったと言っている政治家たちによって、必然的に覆された。

日本の中国の専門家も圧力に直面している。

日本の「チャイナスクール」の外交官たちは、1990年代半ばまで日本政府の政策を支配した。

関係が冷え込むと、彼らは「パンダ・ハガー(親中派)」とレッテルを張られ脇に追いやられた。

このように、世界第2位と第3位の経済国は、お互いに話し合い、安定した関係を構築する能力を失った。

中国の指導者たちは、依然として一般市民を喚起させるため日本が中国の敵であるという考えを引き続き使っている。

日本人は、中国の敵として描かれているのを見て、ますますそのように行動するようになった。

アジアの大国が歩み寄るまで、日本はこの地域に米軍を残したいと思うだろう。

日本は独自に中国を扱うことはできず、北朝鮮の核兵器は東京の不安に加わるだけだ。

米国の撤退は、日本を核そのものに追い込む事になるだろう。

その時初めて、中国は日本に対する永続的な敵意の犠牲に気づくだろう。

リチャード・マクレガー :Asia’s Reckoning: China, Japan, and the Fate of U.S. Power in the Pacific Centuryの著者。Vicking 発行

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