【仏:衝撃】「火は消えた」:パリの消防士は12時間の戦いの後、ノートルダム大聖堂の炎を鎮火

今月21日の復活祭を前に聖週間に起きたフランス・パリのノートルダム大聖堂の火災は衝撃的でした。
パリのセーヌ河の島の左岸側に位置するこのノートルダム大聖堂は、1163年に着工し1225年に完成したゴシック建築の美しい聖堂です。
ノートルダムという名がつく教会は、世界中にあります。フランス語でNotre-Dame, 英語ではOur Ladyと表記され、聖母マリアを指すもので、カトリック信者にとって非常に馴染のあるものです。
そして、現在、カトリック教会では四旬節の時期であり、キリストの受難を思い起こし、祈り、悔い改め、慈善などを行います。そして復活祭を迎えます。火災が起きた15日は、四旬節の中でも大切な聖週間に入ります。

世界の宗教の中で一番人口が多い宗教であるキリスト教の中でも、最も人口が多い世界中のカトリック信者は、このノートルダム大聖堂の火災に衝撃を受けますが、この火災の意味を考え、一つになり世界中で世界の平和のためにより強い祈りが捧げられることでしょう。
混とんとする今の世界の情勢に、世界中の人の祈りが求められているとも考えるのではないでしょうか。
この記事は、USA Today から紹介します。
世界が平和でありますように。

Post by Mariko Kabashima  2019/04/17  0:15 update 2019/04/17 11:30

USA TODAY 2019/04/16】

パリ – 800年の歴史を誇る仏首都のノートルダム聖堂の火災は、3:30 AMに鎮火した、と当局者は語った。 

パリ消防局はツイッターで、消防士たちが必死の消火活動を始めてから9時間以上後に火災を「ほぼ消し止められた」と発表した。消防団によると、これまでに400人近くの消防士が消火活動を行い、警察官二人と消防士一人が軽傷を負った。

報道によると、パリの消防士の広報担当者ガブリエル・プラス氏は「火が完全に消えた」と述べ、救急隊員は「構造物の動きを調査し、くすぶっている余炎を消す」と述べた。

パリ市民と世界中からの観光客は、月曜日の夜、炎が屋根を破壊し、ノートルダムの尖塔が崩壊するのを恐怖で見ていた。一夜に渡る消火活動の後、消防士たちはこのランドマークの主要な石造物を救うことができた。

小雨と灰色の曇り空にもかかわらず、火曜日、パリの通りで、人々の見方が悲しみから、 建築を回復させるために何をすべきかを検討している人々の行動になり、安堵感をもたらした。

「聖母マリア像がまだ立っているのが見えます」と、キャサリン・ウーデットさん(63才)は中世のカトリック教会の大聖堂の正面を指さし語った。
「無事だったと聞いて安心しました。ノートルダムはキリスト教のランドマークでも文化のランドマークでもありません。それは私たち、フランスにとって絶対的なシンボルです」

奇跡的に残った十字架とピエタ像
(訳注
ピエタとは、イエス・キリストが十字架上で亡くなられた後、御母マリアがそのご遺骸を膝に受けて、ご苦難のあとを偲んだ。その限りない母の愛を瞑想する姿を現したもの)

ウーデットさんはエッフェル塔の近くに住んでいる。彼女は火災のニュースを聞いたとき家にいた。

「テレビで、大聖堂から噴き出す煙の写真や映像を見ました。ショックでした」とオーデットさんは、火事になったと聞いて家にいた。

「信じられませんでした。この21世紀に、煙探知機や火災探知機など、私たちが持っているすべての技術があるのに、これはどのようにして起こるのでしょうか? 理解に苦しみます」

当局は月曜日、この火災は改修工事に関連している可能性があると述べた―大聖堂は680万ドルの改修プロジェクトの最中だった。


フランスの検察官は、調査員が火曜日にノートルダムのサイトを訪問し、火事の原因となる情報を集めるために改修に取り組んでいた人々と話すだろうと語った。

大聖堂を再建するための大規模な募金キャンペーンも火曜日に始まった。少なくとも3億3900万ドルが、大聖堂の再建を支援するためにすでに約束された。フランスの億万長者フランソワ・アンリ・ピノー氏は聖堂の再建に1億1300万ドルを、同じく億万長者のベルナール・アルノー氏と彼のLVMHグループは2億2600万ドルを寄付した。

「アルノー一家とLVMHグループは、国家的悲劇のこの時期に連帯を示したいと考えています。そして、フランス、その遺産、そしてフランス統一の象徴であるこの素晴らしい大聖堂の再建を支援するために協力します」 と声明で述べた

月曜日に火災の現場に駆けつけたフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、募金集めを発表し、教会を再建することを誓った。

「我々は、皆で協力しこの大聖堂を再建します。これは間違いなくフランスの運命と今後数年間のプロジェクトの一部です」とマクロン大統領は語った。

AFP通信が報じたところによると、ローマ法王フランシスコは 「ノートルダム大聖堂を破壊した大火災に際し、フランスカトリック教徒とパリ市民のために祈りを捧げている」 と述べたという。

英国のエリザベス女王は、マクロン大統領へのメッセージの中で、「私の思いと祈りは、この困難な時に大聖堂とフランス全土で礼拝する人々のためにあります」と述べた。

火災は大聖堂の尖塔を崩壊させ、おびえた観衆たちが見守る中、その長方形の塔の1つに広がっていった。しかし、パリ消防署長ジャン・クロード・ギャレットは、炎が北部の鐘楼に広がるのを消防士たちが防いだ後、教会の主要建造物を保護したと述べた。

パリ副市長のエマニュエル・グレゴアールは火曜日に、ノートルダム大聖堂の宝物を保護する計画は成功し、有名な18世紀のオルガンは無償のままであるとBFMTVに語った。彼は、キリストが被っていたとされる聖遺物「いばらの冠」等が救出された際、「一安心」と述べている。


ノートルダム大聖堂に保管されている聖遺物の「いばらの冠」ウイキペディアより

市検察は捜査を開始すると発表した。当局者によると、放火の可能性はテロ関連の動機と同様に除外された。

しかし、被害は甚大だった。「屋根の2/3が破壊された」とギャレット氏。

これは、当局が建物は全焼すると予想していた月曜日早朝からすると、劇的な変化だった。

ノートルダム大学の広報担当者、アンドレ・フィノ氏はフランスのメディアに対し、「すべてが燃えています。骨組みも何も残らない」と語っていた。12世紀の大聖堂は世界で最も有名な観光名所の一つで、ヴィクトル・ユーゴーの1831年の小説「ノートルダムのせむし男」によって不朽の名声を与えられた。

この火災は、復活祭の日を控えたカトリック教会にとって重要な行事である聖週間に発生した。

(海外ニュース翻訳情報局 樺島万里子)

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