【米国: 必読オピニオン】ペンス副大統領:攻撃にさらされる命

日本の法律では、人工妊娠中絶手術は、母体保護法が適応される場合で、手術が行われるのは妊娠22週未満です。
今週、米国のバージニア州議会の代表団が、妊娠40週たとえ分娩中の最中でも医師が認めた場合、後期中絶が認められるという法案を提出しました。
民主党のリベラルや進歩派は、このような後期妊娠中絶を女性の権利だとして主張しています。
しかし、米国人の全てがこのことを歓迎しているわけではなく、保守派である共和党支持者を中心に、反対運動が活発に行われています。 と同時に反対運動への卑劣な妨害も頻繁に行われています。
この問題は、単なる共和党対民主党という政治の問題だけではありません。人の未来に関わる倫理の問題でもあります。
このナショナル・レビューに執筆されたペンス副大統領のオピニオンは、トランプ政権がこの問題にどのように向き合っているか、また、その愚かな法案について警鐘をならしています。

Post by  Mariko Kabashima , Transhlated by Hiroshi Izumi  2019/02/02

National Review  by Mike Pence  2019/01/31】

凋落しきった民主党を見よ。

 

今週、バージニア州議会の代表団は、出産の瞬間まで人工妊娠中絶を認める法案を提案した。衝撃的なことに、明らかに子供がまさに生まれようとしている時に――妊娠40週でも、分娩の最中であっても――1人の医師が認める限りは、この提案中の法律によって子供の中絶が認められるということを、代表団は証言の中で認めた。

 

法案を支持するラルフ・ノーサム知事は、翌日のラジオでのインタビューで問題をさらに掘り下げた。知事は、子供が中絶を生き延びた場合、「赤ちゃんは快適な状態に保たれ、(そして)赤ちゃんは母親と家族が望めば蘇生を受け、その後でどうするか話し合う」のだということを反対者に再確認しようとした。

 

これを別の言葉で言えば、幼児殺害だ。そして道徳的には非難されるべきであり悪である。

 

バージニア州の法案が出されたのは、ニューヨーク州上院が、同様の法律を拍手喝采の中で成立させてからちょうど1週間後のことだ。アンドリュー・クオモ知事は、「進歩主義的価値観の・・・歴史的勝利」だと宣言し、ワン・ワールドトレードセンターをはじめとする州の各地のランドマークを、ピンクの照明で輝かせるように指示した。

 

死の文化を臆面もなく歓迎することは、生命を大切にする全てのアメリカ人にとっては、衝撃的なことだ。少し前になるが、民主党が明言する立場は、人工妊娠中絶は「安全で合法的、そしてまれ」であるべきというものだった。2003年に部分出産中絶禁止法が、議会の超党派的大多数によって成立に至ったのは、後期人工妊娠中絶に対するこうした広範な拒絶によるものだった。だが今、凋落しきった民主党を見よ。

 

後期中絶を応援するのはもとより、それを支持することは、いわゆる「進歩主義」による憂慮すべき後退を示すものであるだけでなく―― 人間の品性が要求するもの全てを侵害することだ。現代科学が、妊娠における生存可能時点をずっと早い時期にしてきた中で、子宮の外で生存できる子供には生存の機会が与えられて当然だということに、ほとんどのアメリカ人が同意してきた。後期中絶が認められているのは、中国と北朝鮮を含むほんの一握りの国だ。

 

オールバニからの拍手喝采、またバージニア州のラジオ放送越しの弁護にならない弁護を聞くまで、我々は、各州がそのような野蛮な行為を乗り越えているものと思っていた。

 

このようなバージニア州とニューヨーク州の後期中絶法案をきっかけに、アメリカ人全員が行動を起こすべきだ。社会は最も脆弱な存在をどう扱うかによって評価できるのであり、この瞬間を黙って見過ごすのは、良心に照らして受け入れがたいことだ。我々は、命の尊厳をアメリカの法律の中心に復帰することに、今日そして毎日、再び全力を傾けなければならない。

 

私に関する限り、アメリカの歴史上最もプロライフな大統領の、副大統領を務めることができることをこの上なく誇りに思う。トランプ大統領は、就任して最初の週から、命の擁護者としてたゆまぬ姿勢を貫いてきた。大統領は、メキシコシティー政策を復帰・拡張させ、対外援助資金が外国での中絶を促進・実施する団体に渡らないことを保証した。我々の税金が、海外での強制的な不妊手術と中絶を支援するのを防ぐために、アメリカを国連人口基金から離脱させた。また、連邦政府の補助金を中絶業者に与えないようにする――そしてプランド・ペアレントフッドへの資金援助をやめる権限を州に与える法律に署名した。

 

しかし、命への強い関心はこの政権よりもはるかに拡大している。ホワイトハウス以上に、州の指導者たちは胎児を保護するための行動を取っている。彼らは、短い待機期間を義務付け、超音波や他のインフォームド・コンセントの基準を制定し、子供の性別、人種、障害――私がインディアナ州知事として、成立の署名を行ったことを誇りに思っている基準――だけに基づいた中絶を禁止することで、親が命を選択するよう促進している。

 

そして、全国の優しく思いやりのある何百万ものアメリカ人の努力のおかげで、かつてなかったほどに、命を歓迎するように人々の決心と気持ちが変わりつつある。中絶の実施数は、過去の記録を下回っており――1980年代から50パーセント以上減少した。これは本当に祝賀すべきことだ。
だから我が国の歴史上のこうした暗い瞬間であってさえ、アメリカ人は元気を出すべきだ。ニューヨーク州とバージニア州の法案は、素晴らしき新世界への勇敢な旅立ちのようなものではない。我が国永遠の建国の原則とは、著しい、そして相容れない対照をなす、死に瀕した運動の最後のあがきだ。

 

結局のところ、ニューヨーク州の法案成立を記念して、先週ピンクの光を浴びたその同じワン・ワールドトレードセンターの土台にあるのは、9月11日の記念碑だ。そこには、18年前に恐ろしいテロ攻撃で亡くなった全員の名前が石に刻まれている。――妊娠していた母親と共に亡くなった11人の胎児たちの名も。

 

奪うことのできない生存権に対する我々の誓約は、その人たちの名前が刻み込まれた石と同様に確固としたものだ。そして我々の政権、また我々の運動は、この国が再び人間の命の尊厳を認め、称賛するまで戦い続けるだろう。

 

(海外ニュース翻訳情報局  序文:樺島万里子  翻訳:泉水啓志)

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